びーの独り言

どこいくの?どっか。

利己的な遺伝子

利己的な遺伝子 (科学選書)

利己的な遺伝子 (科学選書)

 偶然に三雲の本屋で見つけた。地方の小さな本屋にあって、あえてそれを手にしたことに運命的なものを感じる。実は大学時代に友人Mが絶賛してたことをSから聞かされて愕然とした。もっと早く出会っていたら人生が変わっていたのかもしれない。どうして自己啓発本や哲学本は学校で詳しく教えないのだろうか?なにか意図的なものを感じずにはいられない。
 この本、すごく読みにくい。一度諦めたくらいだ。けど、とても大切なことが書いてある。この考えが正しいかどうか別にしても知っておく必要があるだろう。いや、もしかすると知らないほうが幸せなのかもしれない。
 これは超問題作だ。生物学の範疇を超えていて、生きる意味さえも行間に含まれている。とても無味乾燥でとても機械的。「生物は遺伝子を伝えるために生きている!」から始まり「生物は自分の模倣を作りたいのだ!」って、もうね初めてそれに触れたときの衝撃といったらありゃしない。囚人のジレンマを例えに相対的な戦略論もあってね、神すらも否定し「正直者は馬鹿を見る」なんてことを堂々と数学的に主張された日にゃもうね絶句するしかない。生きるためならなんでもあり。生き残ることだけが真実。そして生きてることは罪。あまりに美しすぎて、そして危険すぎる本。人生は実に相対的で、生物は環境に翻弄される運命なのだ。