びーの独り言

どこいくの?どっか。

2022/09/04(日)「伊豆2」

 昨晩は少し窓を開けていたが、暑くて眠れず1時くらいに起きてお茶をがぶ飲みした。脱水症状だけは気をつけて下さいと言われているだけに焦った。車の外に出ると、風が涼しかった。車にもたれかかるとひんやりとして気持ちよかった。夜空には星が少し出ていた。北海道では期待しながら見ることのできなかった星を下田で見るとは。車の窓を半分くらい開けた。虫に食われたくないが、暑いのは命に関わることだった。窓からは星が見えるような気がした。
 起床は5時。窓を開けたおかげで暑さは和らいだものの、ほとんど寝た気がしなかった。元々寝溜めに近い状態だったのかもしれない。窓からは虫は入ってこなかった。うみねこがアーアー啼いていた。空が赤く染まって美しくて、写真を撮った。車の中ではブログを修正した。車中泊でのルーチンになりつつある。トイレに行ったら、窓を開けて蚊帳をかけている車があった。なるほど。今度探しに行こう。
 610、ローソン。サンドイッチを食べた。400円近くしたけど、美味しかった。6時半に出発。
 伊豆半島最南端の石廊崎を目指した。端に行きたくなるのはなんでだろ?石廊崎への道には、南国ムードを出すためかシュロの木が植えられていた。国道から外れて県道に入ると、いよいよ海沿いとなった。昨晩見れなかった海は青く美しかった。海は岩礁になっていて大きな岩が屹立していた。でも、港もあり、防波堤があった。海の中がよくわからなかった。北海道や八戸と比べると同じ大平洋でも、海の色が少し明るいような気がした。
 「石廊崎は次の信号を左折」と出たけど、「灯台は直進」となっていたので、灯台に向かった。道路は山をぐねぐね上り始めた。どこに行くんだと思ってたら、左に灯台に行く道が現れた。その先にはまさかのゲート、閉められていたorz。ゲートが開くのは8時半からとなっており、まだ90分もあった。まさか岬にゲートがあるとは思わなかった。いくらなんでも酷くないか?
 地図を見ると、石廊崎までは1kmちょっとだった。これだったら歩けるかな、と思ったら、ランナーの一団が現れてゲートの向こうに消えていった。
 地図を見ると、さっき無視した信号のところからも灯台にアプローチできるようだったので、期待せずに行ってみると、入江になっていて遊覧船乗り場があった。遊覧船乗り場の前は有料駐車場となっていたが、係の人はいなかった。灯台へのアプローチはあったが、車は入れなかった。有料駐車場に車を停めて歩くことにした。710、出発。
 灯台へのアプローチは石室神社の参道となっていた。石室神社石廊崎の先端にあった。参道はひたすら上りだった。昨日の赤城トンネルよりキツイ勾配だった。しばらくすると、目の前が開けて大きな駐車場とビジターセンターが現れた。先ほどのランナー達とすれ違った。
 725、石廊崎灯台。岬のわずかなスペースにちょこんと立っており、思ったよりも小さかった。門はまだ開いてなかった。
 7時半、石廊崎。崖の急な石段を降りると、風が凄く強くて帽子が飛ばされそうになるどころか、バランスを崩しそうで怖かった。石段の先には木造のバスの待合室みたいな建屋が現れた。これが石室神社だった。その先は海に岩場が飛び出していて、岩には御神体を示すロープが巻かれていた。もうそれ以上先に陸地はなかった。
 御神体のある岩場はぐるっと一周できるようになっていた。海に面した側には木造の祠があり、たくさんのおみくじが結ばれていた。海の方を見ると大平洋が一望できた。太陽が上り始めており、海には光の道ができていた。左右を見ると、崖が鋸状に海岸線を形成していた。鵜の巣断崖に似ていると思った。海の色は濃い青だったが、眼下の波が岩に激しく打ち付けている箇所では、南の島にありそうなきれいな水色となっていた。
 8時に出発。下田に戻り、国道414号線を北上した。ここは伊豆急と並走しているはずだったが、ほとんど見えなかった。伊豆急には海沿いのイメージがあったが、険しい山の中を通っていることがわかった。
 845、上原美術館の駐車場。開館まで45分待ちだった。窓に付いた虫をフクピカで拭いた。先週のプロによる洗車でも落ちなかった虫がバンパーに付いていた。フクピカで擦っても取れなかった。そんなに取れないものなのか?一度、ちゃんとした洗剤で洗うしかないな?
 10時半、上原美術館。ここは大正製薬の創業者である上原氏が建てた美術館で、元々仏像を展示していたところに、絵画も展示するようになった。
 まずは絵画の方から。山田五郎の「オトナの教養講座」で以前よりも美術品の見方がわかったような気になっていた。特別展示で船をテーマにしており、新印象派であるマルケとシニャックに焦点を当てていた。印象派はわかるけど、新印象派って何?絵の背景が説明されていたので、わかりやすかった。タッチは粗いけど、遠くから見ると、それっぽく見えた。抽象画と違って、どれも素人目にもわかりやすかった。他には、ゴーギャンルノワールセザンヌなどがあった。こんな小さなところでも所蔵してるもんなんだな。
 仏像の方は建屋が別となっていた。中にはたくさんの仏像が並んでいた。どれも木彫りの新しいものだった。どうやら世の中にあるすべての仏像の種類を再現したようだった。今ここでそれを復習してもなあ。展示されてる仏像の説明が書かれた冊子を無料配布していて、仏像の教科書として役に立ちそうだった。
 因みに展示されていた阿修羅像は興福寺のものとよく似ていた。十一面観音菩薩立像は、頭の上の面が大きく、耳の後ろに面があるところから、渡岸寺の仏像をモチーフにしたものだと思われた。
 特別展示の方で少しだけ本物の仏像が出てきた。しかし、小品ばかりであんまり面白くなかった。仏像は出品されることも少なく、市場に出ても高額であることから、小さな美術館で収集することは難しいのかもしれない。
 1040、出発。河津に行き、山間の狭い生活道路を上がって行った。
 1115、伊豆ならんだの里河津平安の仏像展示館。ここでは南禅寺(なぜんじ)の仏像を展示していた。駐車場に寺の説明がされていたが、案内板の作りはしっかりしてるのに、文章は素人丸出しだった。イヤな予感がした。
 案内板によると駐車場から寺までは少し歩く必要があった。寺の前にも駐車場はあったが、身障者用だった。寺までは超絶な激坂となっていた。こんな山奥まで来て、こんな坂を上らされるのか?これだけでやる気がなくなりそうだった。お寺でお茶くれないかなと思った。
 上りきると、3台停められる駐車場には2台停まっていた。施設は比較的新しかった。受付におじいさんが独りいた。冷たいお茶を勧められて驚いた。わかってるなと思った。椅子に座って、お茶を飲んでると、ゴルフ中継のテレビの音が聞こえてきた。それはないと思った。
 仏像は、三体がよく残っていた。どれもほっぺたが膨らんでいて、少し違和感を覚えた。他は朽ち果ててゾンビみたいなものばかりだった。平安時代に地滑りが起きて埋まってしまい、百年後に掘り起こしたとのこと。だとしても、これを見せられても。
 帰り際に仏像の本がいくつかあったので、見てみた。静岡県にある仏像を紹介した本を見ると、衝撃的な写真が並んでいた。まるで素人が作ったような感じだった。どの仏像も美術品としての魅力をまったく感じなかった。中央から離れてしまうと、こんなになってしまうのか?残念さが半端なかった。
 また、田中ひろみさんが関東の仏像スポットを紹介した本があった。私が最近知りたかった情報が網羅されていた。そして、大したところがなさそうで残念な気持ちの上にとどめを刺された。ここの施設も載っていて、わざわざ坂がキツイと書かれていた。必要な情報とは思えないが、それほどインパクトがあったんだろう。
 おじいさんが独りしかいないのに、なぜか2台車が停まっていた。普通は関係者は遠くに停めるのでは?いいとこが見当たらず、逆に印象に残る施設だった。
 12時出発。昨日、修禅寺に行きそびれていたが、国道414号線をそのまま帰るのも面白くなかった。もう仏像はお腹いっぱいだったので、海沿いの国道135号線を北上することにした。ここからは純然たるドライブを楽しもうと思った。国道135号線は崖みたいなところに無理矢理道路を通していた。トンネルは少なく、アップダウンが激しかった。天気がよくて、空も海も青かった。何度か目を見張るような美しい眺望を通りすぎた。北海道と同じくらいの凄い景色だと思った。伊豆が東京近郊の観光地として人気があるのも頷けた。どこまでも明るいイメージ。道沿いには観光施設が途切れることなく続いた。あと温泉がそこらじゅうにあった。
 1235、蔓望亭。適当に国道沿いの店に入った。ワクワク丼を注文。アジの丼、マグロの丼、ホタテと生エビの丼が出てきた。アジがとてもおいしかった。酢飯がなかなかよくて、わさびの効きが半端なかった。伊豆はわさびの産地だったような気がする。
 1310、出発。車も増えてきて、海沿いの道も面白くなくなってきた。時間も余ってたし、修禅寺に行くことにした。
 1445、修禅寺。意外なことに駅から離れており、温泉街だった。門前町と温泉のコラボ。これは強そうだ。お目当てのご本尊は秘仏だったorz。宝物殿に行ったが、特別凄いものがあるわけではなかった。
 1525、筥湯(はこゆ)。昨日から風呂に入ってなかったので、温泉に入ることにした。水質は普通であまり温泉感はなかった。でも、さっぱりした。観光よりも価値が高いかも?
 1550、指月殿。北条政子が建てた伊豆で最古の建物。中には釈迦如来坐像があった。とてもいい感じの仏像だった。最後にようやくまともなものを見ることができた。
 1610、出発。すぐ給油。ここからは帰るだけだった。修善寺道路から伊豆縦貫自動車道、新東名。知ってたけど、ところどころで渋滞。足柄SAから本格的に渋滞してたので、1720、足柄SA。
 崎陽軒があったので、しうまい弁当を探したが、売り切れorz。仕方なく「秋のかながわ味わい弁当」。しうまいもタケノコも入ってたけど、しうまい弁当食べたかったなあ。
 足柄SAの中で出口に向けて渋滞してた。ぞっとした。仕方がないので、ブログでも書いて時間を潰そうかと思ったが、ブログを書いて疲れた状態で運転してもなと思った。1850、出発。
 動いては止まるの繰り返し。行きも食らったのだから、帰りもそうなるのは必然。イライラしないように、何度も何度も気持ちをリセットした。
 帰宅したのは、2120だった。足柄SAからは2時間半休みなしに運転した。
 今回の旅行では、気になる仏像スポットと長年気になっていたところを潰した。仏像に関しては期待外れだった。鎌倉でもダメなのだから、関東では本当にダメなのかもしれない。あとは車で遠出するということは渋滞を覚悟しなければならないということを体験できた。早晩、電車旅にシフトするかもしれない。