びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/05/29(土)「乗り鉄」

 転勤かもしれないという先週のムードは忙しさに紛れて頭の中から消し飛んでいた。それでもスティーブ・ジョブズのように「明日死ぬとするなら今日何する?」の精神で、10時出発。外はよく晴れていた。
 明日死ぬとするならと、選んだ場所は、先週と同じJR福島駅だった。結局、明日死ぬとしても、いつものように過ごすだけである。
 先週は特急がなかなか来ずに撮影を断念したが、今週は大丈夫だろうと、先週と同じ場所に張り込んだ。すると、若い奥さんが子供2人を連れてきた。特急を見に来たようだった。なかなかマニアックな奥さんだな。しかし、特急はなかなか来なかった。痺れを切らして時刻を調べるとすぐに来るやん。待ち構えたが、それでも来なかった。コロナのせいで臨時運休?それにしても、上りでも下りでもいいのにこんなに来ないもんか?それでもなお来ない。もしかして、事故で止まっているのか?再び調べたが、そんなこともなかった。ついには奥さんも子供も帰ってしまった。
 1150、待つこと1時間。突然踏み切りが鳴り出した。ついに来た!急いでカメラを構えた。初めて聞く踏み切り音。右か左か?首を左右に振った。右から何かが来た。ん?様子がおかしい。遅いし、電気機関車?貨物か?目の前をゆっくりと単行の電気機関車が通過していった。ハズレ感が凄かった。もともと貨物線だから仕方ないよな。単線をこいつが走ってるということは、しばらく何も来ないことを意味していた。
 こうなったら意地でも撮影してやる。諦めたら負け。ただ待てばいいだけだ。1210、二度目の踏み切り音。今度こそいけるだろう。ようやく張り込みも終わりだ。急いでカメラを構えて、右か左かを見極めた。今度は左だった。現れたのは、まさかの電気機関車。またお前か。でも、スピードが速かった。さっきとは違い、貨車が連結されていた。これはこれでアリか。
 またしばらくダメかと思ったら、1220に三度目の踏み切り音。さすがに特急だろう。左から現れたのは念願の特急だった。それがはるかかくろしおかわからなかったが、とりあえず目的は果たすことができた。三度目の正直とはよく言ったものだった。
 JR大阪駅に移動。ここでコロナに被弾したら本当に明日死ぬかもしれないと思いながら、ますのすしをゲット。13時、先週に引き続きいか焼き。先週と違い、13人並んでいた。時間帯かな。
 1330大阪駅から新快速で新大阪駅。ここで梅田貨物線を経由する特急か未乗のおおさか東線の選択があったが、次の特急は1515だった。余裕で無理。これでは特急が捕まらないわけだ。おおさか東線に行くことにした。
 おおさか東線新大阪駅から学研都市線の鴫野駅を経て関西線の久宝寺駅を結んでいる。もともとは貨物線であったものを旅客線化した。鴫野駅から久宝寺駅までが先行開業していて、この区間は乗ったことがあったが、新大阪駅から鴫野駅の間は乗ったことがなかった。いつも新大阪駅を通る度に、はしっこに関西線と同じ薄緑色の車両が停まっていて気になっていた。1341発の久宝寺行き。かぶりつきには先客がいた。
 新大阪駅を発車して、しばらくは東海道線と並走した後、豪快に高架で右カーブし、東海道線をオーバークロス。そのカーブし終わったところが南吹田駅だった。吹田と言えば、地元ではあるが、南吹田駅がどの辺かはよくわからなかった。そのまま進むと、今度はもっと高い高架と直角にアンダークロスした。下を見ると線路が。高架化工事が進む阪急淡路駅だった。すぐにJR淡路駅。ここではたくさんの人が乗って来た。
 そしてハイライトは淀川を渡る赤川鉄橋。私がこの橋を知ったのは、中学3年の時だった。同級生の片山と自転車で梅田の旭屋書店に行く途中、赤川鉄橋に連れて来られた。当時の赤川鉄橋は、貨物線が単線しか使用しておらず、残りの半分は木製の人道橋だった。あの巨大な淀川を木製の橋で渡るということにとてもビックリしたことを覚えている。その後、社会人になってから、一度ジョギングで通ったことがある。
 今の赤川鉄橋おおさか東線の開業のために、人道橋が撤去され、複線化された。新線が淀川のような大きな川を渡るのは妙な気分だった。昔見た景色のはずだったが、新鮮に思えた。鉄橋を通過する音もいつもの鉄橋とは違い、ガランガランとうるさく反響するようだった。
 おおさか東線学研都市線に合流して鴫野駅に到着した。ここから先は2回目だった。鴫野駅と隣の放出駅は学研都市線と並行した。放出駅で分岐したが、この区間にはやたらと「JR」を冠する駅が多かった。おおさか東線は京阪や近鉄との連絡駅に「JR」を付けている。きっと誤乗車防止だろう。
 久宝寺駅からは1416発難波行き。何となく天王寺駅で下車すると、特急くろしおが来るではないか!
 先週の梅田貨物線もまた未乗だった。一応、一度は全国私鉄JRを完乗したつもりだが、梅田貨物線はカウントに入れていなかった(同様に関ヶ原も未乗である)。どこかでずっとそのことが負い目になっていた。それに梅田貨物線は今乗らないともうじき新線に置き換わる。尼崎にいる間に是非とも乗っておきたかった。ここで会ったら百年目。特急券はないけれど、1435くろしお20号に飛び乗った。
 車掌さんが来て自由席特急券を買った。660円だった。弁天町駅を越えた所から動画撮影した。わざわざ私が撮らなくてもYoutubeにたくさんアップされているが、自分で撮ることに意義があるように思えた。西九条駅を越えたところで、梅田貨物線が分岐していき、地上に降りていった。先ほどまでいた福島駅の踏み切りは一瞬で通過した。そこから先は先週と同じ景色。地下化工事の向こうに梅田の高層ビル群。阪急中津駅をアンダークロスすると、東海道線が近づいてきた。東海道線と合流すると、すぐに淀川だった。淀川の鉄橋を渡ると新大阪駅。短い旅だったけど、エッセンスが凝縮した楽しい時間だった。
 予定をこなしたのでまだ明るいけど、1501快速の快速で帰った。
 今日のルートは先週果たせなかったルートだった。おおさか東線と梅田貨物線の未乗区間2つを片付けて、近場の未乗区間はなくなった。あとは転勤までにできる限り廃線跡などを片付けられれば。