びーの独り言

どこいくの?どっか。

2018/01/22(月)年休「血液」

 通算4回目の輸血だった。起床6時半、外は真っ暗で目覚ましが嘘をついてるのかと思った。月曜日の朝は眠かった。出勤よりも起きるのが早いので常に寝不足だ。今日はいつも以上に頭がぼーっとしていた。電車に乗ってから書類一式を持って来るのを忘れていることに気づいた。でも、特に何もなかったような。
 0840到着。受付では「輸血なので処置室にお声がけ下さい」と言われた。またか。「採血があると思いますが」と言うと「先に採血があります」と言われた。なぜ採血を飛ばすのか?
 採血の受付には整理券の発券機がある。毎回わかりにくいと思う。おばあさんが「受付で呼ばれてから整理券取るんですね」と言ったら、誰かが「先に整理券取るんですよ」と言った。採血をしてくれた若い女性はあまりうまくなかった。針を刺してからグラグラさせないで。そんな日もあるか。
 0915受付に声をかけると、「処置室にお声がけ下さい」と言われ、処置室に声をかけると「マッチングが終わるまでお待ち下さい」と言われた。このクソコンボ2回目なんだが。
 待ち時間を利用して、病院内にあるローソンで午後ティーを買い、郵便局でお金を下ろした。前と比べて異常に減ってるような気がしてだいぶ心配になった。
 処置室に呼ばれたのは1010だった。血圧を測ると127だった。いつもより低かったのはかなり眠かったからだろう。酸素濃度は99だった。相変わらず単位はわからなかった。
 輸血は右手を自由にするため左腕を選んだ。針を刺す先生は先週骨髄穿刺をした人だった。痛くなかったことを思い出し安心した。しかし、血管を探すときなかなか見つからなかった。浦安の時左で失敗したことを思い出した。針を刺して深く挿入するときに痛点に触った。「いっ」、思わず声が出た。すると違う場所にもう一回刺すことに。こちらも軽く痛点に触ったが、なんとかなるだろうと申告しなかった。「肘に近いので針は短くしています」と言われた。痛くなければなんでもいいんだが。次は右の方がいいのかな?
 ベッドに寝転がったのは1020で、15分後にキッチンタイマーが鳴り看護婦さんが滴下スピードを上げた。なぜ血液バッグからはなんの駆動力もなく血液が身体に入っていくのか?想像だが、第一に血流により負圧がかかるのだろう。アスピレーターと同じ原理。第二に重力もあるのだろう。血流バッグは必ず腕より高い位置にある。
 知らぬ間に眠っていた。気づいたら看護婦さんが針のとこのテーピングをいじっていた。針がずれると血管の壁を押して滴下スピードが落ちるらしい。看護婦さんは滴下スピードを腕時計で確認していた。実験のようだと思った。
 1230気がついたら滴下が止まっていた。止まったのは初めてだった。カーテンを開けて看護婦さんを呼ぶと、テーピングをはずして針を抜いてくれた。針をはずしても異物感があるような気がした。そのうち消えるのだろう。
 次は診察だった。診察室は普通の待合室と診察室の前の中待合に分かれている。待合室に座っていれば、液晶画面に診察される人の番号が表示される。もうすぐ診察になれば、中待合に移ることになる。次は私の番になったので中待合に行くと椅子が埋まっていた。明らかに人数が多い。座ってる人もせこいが、病院側もそこに座らせるなよ。立って待っていたら前の人が出てきた。次は私だと思ったら違う誰かが呼ばれた。緊急かなんかかなと思って、立ち続けるのもなんだし待合室に移った。次も誰かが呼ばれた。番号を見ると私の後ろが前倒しになっていた。なにそれ?そういうことするなら最初から番号後ろにしてくれよ。ホンマ適当というかいい加減というか。と思ったらもう一人飛ばされた。どうやら診察室横の液晶表示の呼び出しに反応しなかったからのようだった。何分かかるかわからない診察の間、ずっと診察室の前に立っとけということか?
 14時やっと診察室に入ることができた。先生は開口一番「何回も呼んだのにどこか行ってましたか」と言ってきた。頭にきて「そこの椅子が埋まってるから待合室にいました」と言い返した。私の剣幕に驚いたのかまあまあみたいになってその場は一旦落ち着いた。改めて発せられた一言に激震が走った。「今日はなんで診察やったっけ」。お前が来いって言ったんやろ。なめてんのか?さらに畳み掛けるように「こないだ輸血したんやっけ。あっ、今日やっけ」。こいつは最低限の情報すらインプットできてないのか。医者としての知識はあるのかもしれないが、社会人として完全に失格だ。即座に転院したいと思った。
 何の診察か忘れたオバハンは、いかにもその場を繕うかのようにパソコンでデータを見返しながら言った。「骨髄は採れてなかったですね。生検はまだ結果出てません」。そんな重要でもない途中経過いらんわ。全部出てから言えよ。
 「次の診察は2月です。採血して輸血するかどうか決めましょう。その日に輸血か、別の日にするか。申し出に合わせて朝8時半にしておきましたので」。前回日付を決めたことをすっかり忘れていた。朝これ以上早くなるのは辛すぎる。つか輸血のために出直しなんてありえないから。一日で終わらせるに決まっているだろ。
 「血液型の結果が出たら移植の先生と相談しましょう」。そうなるわな。一連の儀式が終わるもんな。お前はその重要な検査で結果を出せなかったんだが?「いつ結果出るんですか」と聞くと「外部に出すからわかりません」と言われた。前に3週間って言ってなかったか?それに外部に出すから納期がわかるんじゃないのか?
 最後に一応「何かお変わりありませんか」と言われた。健忘症のオバハンに何を話したらいいんだ?それとも粘り強くアピールを繰り返さなければいけないのか?
 今日の診察には本当になんの進展もなかった。あのオバハンはすぐに入ってこなかった俺が悪いと思ってるに違いない。もしかするとその報復として暴言を吐いたのかもしれない。まあそれすら覚えているか怪しいが。おそらくこんなことは先生にとっては些細なことなんだろう。大事なポイントはもっと命ぎりぎりのところ。そこだけはちゃんとやって欲しいわ。いや手出しして欲しくないわ。
 どうやらこの大病院では患者から粘り強く先生に接しなければダメらしい。過去の治療やデータはきちんと説明できなければいけない。生きるという意志を見せる者こそ良い患者なのかもしれない。暗に心づけを要求してるんかな。以前にQUOカードを首からかけてたからなあ。
 転院できないなら後は祈るしかないわ。