- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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池井戸さんの最新作。ちょうどドラマも始まっていた。今まで新書には手を出してなかったが、事情が文庫を待ってられなかった。
「下町ロケット」のようなテイスト。得意の銀行は押さえ目にして技術に光を当てている。ここでも特許が軸になっている。なんかごちゃごちゃしててまとまりに欠ける印象。そしてオチがだいぶわかりにくい。途中散々引っ張ったのに終わりが急ぎすぎ。モチーフが良かっただけにもっとじっくり書いて欲しかった。
飯山に諭された宮沢は何に気づいたのか?一番大切なシーンなのにまったくその変化が伝わってこなかった。それに茂木へのシューズ供給は最後とだえたのではなかったのか?茂木が本番だけシューズを履き変えたというのはさすがに無理があるだろう。最近の池井戸さんの作品には緻密さが欠けているような気がする。エンターテイメントに特化するのはいいが、ディテールを犠牲にしすぎると世界観が陳腐になる。どうせなら半沢直樹くらいやってくれれば許せるが。
とは言うもののいつものように続きが気になってむさぼるように読んだわけであり。このものづくり路線シリーズについては、もっともっとスケールの大きな話を期待する。