池井戸潤、半沢直樹シリーズの新刊。7年ぶりのドラマも来週終わりを迎える。クレジットにこの作品があったが、もしかしてドラマの結末が書いてある?
買収の裏に隠された真実に迫っていくいつもの展開。おやっと思ったのはモチーフが美術ということ。近年の作者は常に新しい分野に挑戦している。下町ロケットでの知財紛争、銀翼のイカロスでの政局、ルーズベルトゲームでの野球、ノーサイドゲームでのラグビー。
半沢直樹シリーズはドラマの影響で、銀翼のイカロスからキャラクターがドラマに寄せ気味になったが、今回は完全にシンクロしてた。半沢直樹は完全に堺雅人に脳内変換された。また渡真利はミッチーに。もちろん大和田は出てこない。あんなコメディではなく、まだシリアス寄りである。
今回巻末に「現実との著しい乖離、瑕疵があったとしても、すべて作者の責任であり」という一文があった。新しい分野のことだからそういうことはあるにせよ、これは弱気じゃないかな?確かに下町ロケットのゴーストは酷かった。知財のスペシャリストがついててあれではその人が何かしら言われても仕方ないと思う。
例によって一日で読んだ。表現が研ぎ澄まされて、余計な部分が削ぎ落とされてる感じ。最近、新刊のペースが遅いので心配。次はいつかな?