びーの独り言

どこいくの?どっか。

電車をデザインする仕事

 著者の水戸岡氏はJR九州を中心に全国各地で車両をデザインしている。初めて水戸岡氏の車両に乗ったのはJR九州の特急「かもめ」で、車体側面のロゴや黒革のシートが今までにない斬新なものだった。それから全国各地で水戸岡氏の車両に遭遇するようになり、その度にワクワクさせられた。特に和歌山電鐵の「いちご電車」は、遊び心に溢れた素晴らしい車両だった。今年水戸岡氏がデザインしたJR九州のクルーズトレイン「ななつぼし」が運行し始めた。そのタイミングに合わせてか新刊が2冊に並んでおり、まずはこの本から。
 期待感は見事に裏切られた。ひたすら正論ばかりのうわべだけ。自分の作品を自画自賛していて鼻についた。本人はイメージ商売だからいいことばかり書いているのだろうが、辻褄の合わない箇所が多くて、言葉が軽くてウソっぽくなっていた。アーティストにはたまにいるんだよな。しゃべらない方がいい人が(JAMのYUKIさんとか)。こんな気持ちになるのなら読まなきゃよかったと思う。
 「デザインには正解はない」と書いてるのに「自分は正解に近づけている」としている。「公共デザインはお客様のためであり、自己アピールしてはならない」という自己アピール。「車両にこの白を採用して、2日に1回の清掃が、1日に1回になったが、これでJR九州の体力がついた」と従業員の手間を犠牲にしてまでデザインを押し通し、挙げ句の果ては「自分が車両をデザインしたからJR九州は黒字になった」とまで書いてある。
 3日で読んだ。一応2回読んだが、評価は変わらなかった。これでもう一冊残ってるなんて・・・。