びーの独り言

どこいくの?どっか。

ソニーを創った男 井深大

ソニーを創った男 井深大 (WAC BUNKO)

ソニーを創った男 井深大 (WAC BUNKO)

 こういう本は好きだけど、きりがないとも思っている。ソニー本も何回も読んだ。盛田氏が注目されがちだが、私は井深氏の方が好きだ。井深氏は私の中で別格。まさしく技術者スピリットの体現者だからだ。先週、偶然に「LIBRO」で見つけ即決。
 ソニーを創ったとき井深氏はすでに37歳で、起業するには年をとってる印象だった。それまでの井深氏の情報は全く知らなかった。この本には出生からソニー設立までが詳しく書かれている。偉くなる人というのは大学入学前からしっかりした考えを持っている。井深氏は学生発明家として有名で、当時始まったばかりのアマチュア無線でも名が知れていた。また周りにいた人たちも立派。よくもまあこんなに凄いタレントが揃っているもんだと。生まれ落ちた環境から違う。努力は必要だが、努力ではどうにもならないもの、持って生まれたタイミングというか、そういうのがある。井深氏は時代が生み出したヒーローのように思えた。
 井深氏の晩年はあまり語られることがない。それは東洋医学の「気」の研究などに走ったからだ。常人にはオカルトにしか見えない非科学的部分への接近こそが、私には一番凄いと感じられた。科学でまだ知りえない部分への常識を越えたアプローチは探究心の塊である井深氏らしいと思う。人とは一体何か?どうやったら人を幸せにできるか?きっとそんなことを考えていたのだろう。
 著者の取材能力も素晴らしい。こういう汗を流した跡が感じられる文章は大好きだ。4日で読んだ。あまりに面白くて一気だった。まだまだ私も頑張らないとと思った。