びーの独り言

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参謀

参謀―落合監督を支えた右腕の「見守る力」

参謀―落合監督を支えた右腕の「見守る力」

 日曜日に千葉の三省堂で立ち読みした。2時間くらいで読んだ。
 著者の森繁和氏は元プロ野球選手で西武の抑えピッチャーだった。私は西武黄金期の現役時代の姿をうっすらと覚えている。あちこちでコーチ経験を積んで、中日の落合監督が就任したと同時にピッチングコーチに請われた。落合中日の特徴は強固な投手陣であるが、最初からピッチングに関する権限は森氏にすべて渡されていた。やがてバッテリーコーチやヘッドコーチも兼ねるようになり、昨年落合監督とともにチームを去った。既に紹介した落合氏の「采配」では中日での8年間に渡る監督時代の話が綴られているが、この本ではコーチの目から見た8年間が描かれていた。
 「采配」の内容と似ているといえば似ている。あちこちに「采配」が引用されている。モチーフが同じと言えばそれまでなのだが、落合氏の方針が森氏の考えとフィットしていたと考えるのが自然だろう。意外だったのはフィクサーである根本氏が出てきたこと。根本氏はあらゆる手段を使って西武とダイエーを強くしたことで有名。根本氏は落合氏に「森と組んだら面白い」と言ったらしく、妙になるほどと飲み込めたわけで。他には日本シリーズ完全試合をしていた山井投手を交代した件について、山井投手が血豆を潰して自ら交代を申し出たということであった。真相は当事者にしかわからないだろうけど、多分そうなのだろうなという説得力があった。あとは山井氏の話を聞いてみたいものだが。
 今の時期に出版されたことが大事なのだろう。今の時代なんでも本になるんだなという印象。きっとゴーストライターが書いてるに違いない。野球関連の本は大体が非常に読みやすい。