びーの独り言

どこいくの?どっか。

2011/08/07(日)「旅行2」

 礼文島の前に増毛に行きたかった。札幌―石狩当別新十津川・・・滝川―深川―留萌―増毛。
 はまなすから札沼線は3回目。先っぽではわずか3本しか走ってないが、はまなすとの相性がよいのでつい乗ってしまう。単に増毛に行くなら高速バスの方が早く2時間半で着いてしまうのだが、要は新しくスケジュールを組むのが面倒だったり。このルートって昨年と全く同じパターン。そして「鮭めし」を買うのも同じ。路線は石狩川を越えるまでは住宅地。石狩川を越えると緑が多くなる。3回も乗ってるとありがたみもなくなって眠ってしまった。気がつけば終点間近。正直飽きている自分がいた。右も左も緑の田んぼ。電車は畦道を走ってるようなもの。人家はなかった。先っぽだけ廃止になるのもありえるよな。終点新十津川では入線する電車を写真に撮る人たちがいた。この駅も有名になってきたのかな。私は写真も撮らずベテランの余裕を漂わせつつ近くのバス停へ。タイミングよくバスが接続して滝川へ。滝川からは特急で深川へ。
 深川からは留萌本線。ここも3回目。本線とは名ばかりでどこからみてもローカル線。逆にそれが旅情たっぷりだったりする。冷房がなく窓全開。緑の田んぼの中を気持ちよく走った。初めて気づいたが、恵比島までは駅舎にとてもいい味があった。恵比島から先は山の中に突入、景色的にはあまり面白くなかった。留萌で乗り換え。ここからは海岸線沿い。海と山の間のわずかなスペースに淋しい集落が並んでいた。れうけ、のぶしゃ、しゃぐま、などディープなアイヌの地名がオンパレード。13時増毛に到着。相変わらず堂々とした終点ぷり。
 昨夏泊まったとほ宿「ぼちぼちいこか増毛館」に荷物を預けた。今回増毛を選んだのもここに来たかったから。観光は去年にやったので今年はあまり興味はなかった。チェックインまで時間があり、寿司「すが宗」に行った。昨年特別いい記憶はなかったが、海鮮の魅力に負けてしまった。1時間待ってウニイクラ丼。私の舌は百萬石で鍛えているせいかウニとイクラには反応しなくなってるなあ。次は国稀酒造。ここは増毛の名所。利き酒が売りで今年も同じおばさんが解説していた。このおばさんだから買ったようなもので、今年も「北酔」を1本多い4本買った。これを飲む増毛を思い出すことができるのだ。次に時間があったから増毛小学校に行った。昨年も訪れてなかなかいい感じだった。明治時代のとても古い校舎。外から見ると板張り。「祝133年」と書いてあった。それから海沿いに出てみた。遠くに苫前の風車が見えた。この時点では同じところは新鮮味にかけるなあ、新しいとこじゃないとダメだったかなあ、なんてことを考えていた。
 「ぼちぼち」の前に女性ライダーがバイクを停めていて中に入っていった。私も続いて中に入った。奥さんに部屋を案内された後、下の応接間で宿帳を書いた。新しい「とほ」を読んでるとその女性がやってきて「どこから来たんですか」と声をかけられた。見知らない者どうしでしゃべる。これがとほ宿だなあって思った。18時一休さんに連れられてライダーさんとともに昨年と同じ公衆浴場に行った。夕日がきれいだと言われていたので、風呂から見ると、確かに日本海に落ちる夕日。まだ少し高かった。風呂から上がってライダーさんと外に出ると夕日は消えて夕焼けになっていた。それはそれで空も海も不思議な色に光って印象的だった。
 宿に戻ると夕食だった。家族が2組、私より少し年上の男性と女性、ライダーの女性。ちゃぶ台は2つあり、片方は家族2組、片方はそれ以外なった。私の隣に別の若い女性が座った。近くのさくらんぼ畑で働くヘルパーさんだった。もう8年手伝っているらしい。さくらんぼ狩りを勧められたが、また今度に。食事を片付けて、皆でビールを飲んだ。隣の男性と話してると、最初はとっつきにくかったけど、そのうちトークに引きずり込まれていた。まるでちびまるこちゃんのお父さんのようだった。斜め前に座っていた連れの女性がまた輪をかけて面白い人だった。すごくきれいで女優みたいな感じだった。男性とライダーさんは帯広在住、女性は元帯広で今は東京だそうだ。時間をかけていろんな話をした。特に旅行の話をした。基本的にこの宿に泊まる人は旅人なんだよな。
 一休さんがやってきてお会計を始めたのだが、家族連れのお客さんと次の日の調整で揉めていた。ずいぶん後になってから電気が消されてランプになった。一休さんが締めのギターを弾こうとすると、女性が「サイモンとガーファンクルやって」と言った。まさかって感じだった。しかも「59番街橋の歌がいい」と。思わず「できますよ」と言ってしまったら、「弾いて弾いて」となった。まさかの登板、完全に酔っぱらっていたから左手がうまく押さえられなかった。歌詞がうまく入れられないので1番で止めたら「もう一曲」ということになって勢いで「Homeward Bound」。そのあとに一休さんが本来の「風に立つライオン」からトーク。電気を消した部屋でランプが光っているのが幻想的だった。そういえば昨年もそう思ったことを思い出した。おそらくきっと私は1年前からこれが聞きたかったのかもしれない。