びーの独り言

どこいくの?どっか。

2010/12/31(金)休「旅行9」

 0620起床。岡山―坂出―観音寺―伊予西条―松山―松山市―横河原―高浜―松山市郡中港・・・伊予市―松山―(環状線)―上一万―(本町線)―本町6―(環状線)―上一万―道後温泉―松山―松山市―大街道。
 瀬戸大橋線の私のイメージはM2すなわち1996年夏の徳島運転免許合宿に行くため岡山から乗った特急南風の車窓である。私は出不精だったので遠出するのは相当珍しく四国上陸自体も初めてだった。夏のとても晴れた日で瀬戸内海と島々がとても美しかったことを覚えている。まさかあの後で四国が大好きになって何度も遊びに行ったり、翌年呉に住むことになろうとは思わなかった。それから月日は流れ、私は鉄道で全国を旅行をするようになった。全国制覇を狙う中でもう一度あの景色を見たいと思っていた。昨年の大学友人Sとの四国JR完乗旅行で帰りに通ったが、旅程上早朝であり何にも見えなかった。
 0711岡山発高松行きのマリンライナーに乗った。田舎には不似合いな高架の上を走って行った。右に山上の遊園地が見えると鷲羽山。北海道上陸前の盛り上がりと似たものを感じた。鷲羽山を過ぎるとすぐに瀬戸大橋。青い海に青い空、海には島がぽつんぽつんと浮いている。大きな船が狭い島の間を縫うように進んでいた。雲の切れ目から光が漏れて光のカーテンを形作り、青い海の波間を線上に照らしていた。波が立つ度に水面はきらきらと光った。久々に見る景色なのに私が持ってたイメージと変わらなかった。そして再び脳裏に鮮烈な印象が植え付けられた。ここの車窓は日本でも一二位を争う美しさだ。
 予讃本線は伊予と讃岐を結んでいる。昨冬の四国JR完乗旅行の際には、この区間だけ早朝に通過したため、景色の印象が抜け落ちていた。坂出を出てすぐは瀬戸内海がきれいだったが、伊予三島では前方に薄く雪化粧をした山が現れた。よくみれば平地もうっすら雪が残っていた。どうやら昨日に降ったらしい。景色を見ていると四国らしいなと思った。でも、九州や中国地方と何が違うかと言われればうまく説明できない。気分だけの問題かもしれない。今治を越えてから再び海岸線沿いになった。このあたりは1997年の四国旅行で夜中に車で通り抜けたことがある。あのとき見えなかった海をやっと見ることができた。長年の疑問を解決することができるのも旅の醍醐味かもしれない。
 スケジュールでは松山駅から伊予鉄の市内電車の乗り換えは9分しかなく、その間に乗り放題切符も買わなければいけなかった。けれど、呆気なくJRが遅れた。スケジュールには余裕がありそうなので、その先は出なりで乗ることにした。本来なら駅弁を買う時間はなかったのだが、迷った末に「醤油めし」を買った。駅前で乗り放題チケットを売ってるところがないか探したが、どこにも見つけることができなかった。仕方なく市内電車で150円払って伊予鉄松山市駅に移動した。
 松山市駅は松山の中心だ。伊予鉄路面電車の市内電車と普通の鉄道の郊外線を所有している。サービスカウンターで全線乗り放題チケットがないか尋ねたら、市内電車の乗り放題しかないが、明日(正月)であればあるとのこと、残念。
 伊予鉄の郊外線は松山市駅を中心に三方に伸びている。終点は内陸の横河原、海沿いの高浜と郡中港である。横河原行きに乗ると3両全てがロングシートでがっかりした。弁当が食べられない。でも、終点に近づくにつれて乗客がいなくなったので、思いきって食べた。「醤油めし」の「醤油」の響きにひかれて買ったが、なんのへんてつもない炊き込みご飯でがっかり。いくつかの駅弁は売り切れてたそうだから不人気銘柄だったということか。それにしても、炊き込みご飯とは醤油で炊いていたのか。横河原線の車窓は民家が並んでるだけで何も面白くはなかった。高浜線も大体は横河原線と同じだったが、いきなり大手町を過ぎたところで市内電車と平面交差した。しかも直角に。そういうのは今はなくなったと思っていただけに、すごく珍しくて驚いた。また、終点の手前の梅津寺駅で見事な海が現れた。かつて「東京ラブストーリー」のロケをしたそうだ。郡中線も特に何もなかった。伊予鉄郊外線はどれも地味だった。車両はロングシート、駅舎は古くて、ほとんどの駅に駅員がいて改札をしていた。ただ本数が多いので待ち時間が少ない点は良かった。結局500円+600円+600円=1700円の出費。
 市内電車は駅と松山城道後温泉と繋がっておりドル箱路線となっている。道後温泉には昨冬に訪れているが、その他は未乗だった。基本的に路面電車にはあまり期待してないのだが、最初に攻めた環状線が専用軌道の単線で凄い狭い民家の間を抜けていく姿に萌えた。本当に狭い隙間で最低限の空間しか確保されてないように見えた。電車って乗ってみないとわからないもんだ。上一万で待っていたとき坊っちゃん列車が通った。夏目漱石が「マッチ箱のよう」と形容した昔の車両を復刻したものだ。どうってことないと思っていたが、実際に見ると興味をかきたてられた。
 1730道後温泉伊予鉄完乗。お約束の道後温泉に入った。通算3回目。電停で冷たい風に震えてただけにお湯が超気持ち良かった。何でこんな寒いのに乗り鉄してるのかなと思わなくもないw。
 大街道で下車。ここには商店街のアーケードがあった。宇和島風の鯛めしが食べたくて、一番おいしいと言われる店に行こうとしたが、場所が全然わからなかった。諦めかけたが、後悔しそうだったので、コンビニで聞いてようやくたどりついた・・・閉まっていたorz。とぼとぼと商店街を歩いていたら小さな食堂に鯛めしを見つけた。どうしようかと迷ったが、我慢できずに飛び込んだ。テレビでは紅白歌合戦が始まっていた。待ちに待った鯛めしは1年前に感動した味とは全然違っていた。鉄火丼のマグロが鯛になっただけ。これでは味は知れている。明日は宇和島に行くけど、あの店が開いてて欲しいと願う。
 宿泊は「東横イン」。弛めることなく、着替えて走りに行った。鯛めしのわさびが効いたのか腹がエマージェンシー。腹には1年の終わりは関係ないようだ。6km。