- 作者: 宮脇俊三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
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私の大好きな宮脇俊三氏の本。デビュー作「時刻表2万キロ」に続く第2弾。なぜかこれだけは新潮社のハードカバーだったので敬遠していたが、気になって仕方がなかったので結局購入した。
最長片道切符という概念があんまり好きではなかったのだが、なぜそれを選んだかという理由が冒頭に述べられている。著者が会社勤めを辞めたとき、時間的制約がなくなったために、どれに乗っていけばいいという目的を喪失してしまった、とのこと。いきなりガツンとやられた気分だ。読み進めると、久しぶりのせいか、今まで以上に名文に感じられて、完全に心をわしづかみにされた。視点が素晴らしい。読んでてさわやかで飾り気がなくいつまでも飽きることがない。自分が乗ったことのある路線の解説が多いものだから、特別な共感を覚えまくり。友人と静かに語り合ってるようなそんな気分になる。今では乗ることのできない路線もたくさん登場して、当時の貴重な資料でもある。それに仁堀航路の廃止前だから四国も回っている。うらやましい。実にうらやましい。各地の町に泊まり、そこで一杯ひっかける。旅に行きたくなった。
これは乗鉄マニアには垂涎ものの一冊。すごく私にマッチする。