びーの独り言

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新訳 韓非子

[新訳]韓非子

[新訳]韓非子

 中国の古典シリーズ。孔子老子荘子も今回の韓非子も時代背景はほぼ同じで、登場人物もかなり共通してたりする。孔子は「儒家」、老荘は「道家」、韓非子は「法家」に分類される。法家は儒家と激しく対立した。
 秦の始皇帝が絶賛したという。徹底的に感情を否定し、法に基づく政治を推奨。疑い深い。根が暗い。個性を押し殺す。人を信用していない。術と法を駆使する。「術とは君主が自分でしっかりと握っているものであり、法とは官吏が規範として習熟しておくものである」、術というのはノウハウのことで、人に知られると効果がなくなるもの。法律を充実させることが人を操作するポイントで、犯したものには厳罰を与え、功を挙げた人には厚く賞を与える。
 いつも印象に残ったフレーズに付箋を挟んでおくのだが、今回は付箋だらけになった。「君主は枝葉の成長に注意して、ときどきこんもりしてきた枝葉をはらって、それが大きくはびこらないようにしなければならない。それが大きくはびこると、宮殿の門をふさいでしまうからだ」「重刑だから犯罪をやめるという者が、軽い刑でも犯罪をやめるとは限らない。そして、軽い刑で犯罪をやめるものは重刑でも犯罪をやめる。したがって重刑は犯罪を一掃できることになる」「賢者でなければ行なえないようなことを法律としてはいけない。世の民みんなが賢者とはかぎらないからである」「生みの親の愛情がいかに深くとも、子どもが刑罰を受けることや、病気で死んでしまうのを助けることはできないのだ」「ひとりの人間にいくつもの役職を兼ねさせてはいけない。ひとりの官吏にいくつもの仕事の権限を持たせてはいけない」「聖人が何人いようとも、天の時でない冬には、一本の穂さえ実らせることはできない」「自分のためにすれば、成功するだろう」
 こないだの弘前の帰りに新幹線で読んで一気に暗い気分になった。うちのパワハラ所長や偉い人はこれを読んでるに違いないと思った。3回読んだ。パワハラのやり方は書いてあるが、対処法は書かれていない。