びーの独り言

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新訳 大学・中庸

[新訳]大学・中庸

[新訳]大学・中庸

 「論語」「孫子」と同じくブックフェアで購入。儒教をまとめた四書には「論語」「孟子」「大学」「中庸」がある。「大学」「中庸」は量が少ないので、この本には五経からもいくつかピックアップされている。因みに、「大学」「中庸」は五経の「礼記」の一部でもある。
 印象に残ったフレーズをメモっておく。「殷の湯王は、洗面の器に『苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなり』と刻みつけ、洗面をするたびにそれを見ながら、政治に取り組む覚悟を新たにした。」「君子は、与えられた場で責任を果たしていくことだけを考え、そのほかのことは念頭におかない。そして、結果は天命にゆだねる。小人は、危険なことに手を出して幸運を期待する。」「愚者は成事に闇く、智者は未萌に見る」「太陽は中天に達すれば傾き始め、月は満つれば欠け始める。天地は四季の推移に従って盛衰する。天地でさえかくの通り。まして人間界のもろもろの出来事は全てこの法則を免れることはできない。」「物事が究極まで進行して行き詰まると、そこに変化が生じてくる。変化が生じると、新しい道が開けてくる。」「ふだんから能力や才能を磨いて、しっかりと身につけておく。しかも、やたら見せびらかさない。そして、チャンス到来と見てとるや、さっと行動に移る。だから、有利に戦いを進め、あざやかに勝利をかちとることができる。そうい生き方を心がけるのが君子なのだ。」「社会人であるからには、礼儀について三つの基本を身につけておきたい。姿勢や態度、歩き方をきちんとする。変な顔つきをしない。言葉づかいに気をつける。」「満ち足りた状態からはマイナスばかり出てくる。謙虚な生き方を心がければ、人生にプラスするところが大きい。これは天の道である。」「黄河の澄むのを待っていたのでは、寿命がいくらあっても足りない。」
 3回読んだ。内容は「論語」の延長みたいな感じ。訳者の解説も面白い。「論語」とセットで読めばいい。