カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男 (朝日新書 106)
- 作者: エレナ・ジョリー,山本知子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 新書
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会社のTさんが貸してくれた。たまに貸してくれる。他の人のお薦めは見識を広げるにはいいもんだ。
カラシニコフという名前についてはうっすらと記憶にある程度。なんとなくマシンガンのようなものが思い浮かぶ。でも、ミリタリーマニアじゃないから、平和な日本で銃火器などに接する機会なんあるわけもなく。
この本はカラシニコフの生涯について本人にインタビューした内容を載せている。ソ連からロシアへと激動の時代を駆け抜けた様子が記されている。スターリンによる粛清、富裕層のシベリヤ送り、ドイツ軍との戦争・・・およそ今の日本からは想像がつかない世界だ。イデオロギーの違いはあるが、結局人間は人の上に立ちたい動物なのである。目まぐるしく変わる体勢および価値感。カラシニコフは銃によって人々を苦しみから解放したかった。しかし、その結果は新たな悲しみを生み出しただけだった。これに対してカラシニコフは「私は技術者であり政治的な力は持ってなかった」と言い訳をする。インタビュアーは冒頭に書いてる。カラシニコフはデリケートな質問についてははぐらかす術を持っていると。
4日で読んだ。銃のことを知らなくても読める。ソ連の文化を知るにはいいだろう。でも、お薦めはしない。なにかすっきりしないからだ。想い出が美化されてて、うまくいきすぎてる。