以前にＫプロより講習会に行くようにとの指示があった。海外の最新特許を紹介するというもの。渡されたＦＡＸは怪しい雰囲気だった。飾り気が全くなく、手作りっぽいし、代表者が一人で切り盛りしてそう。メールで申し込むと代表者から丁寧な返信があった。Ｋプロによれば、７０過ぎのおじいさんがやってるそうな。Ｎさんも行ったことあるらしいから、どうやらうち御用達の会みたい。
午後から御茶ノ水。私一人だったらどうしようかと思ったが、３０人くらい集まっていた。私が関心したのは、特許を紹介するだけなのに、意外にも詳細がわかることだった。特許というのは、他者に真意を悟られないようにするため、またはノルマ達成のために、ウソを書くことが多い。だから、書かれてる内容についてはあまり信用できないと思っていた。しかし、粘り強く熟読していくと行間から真実の部分が浮かび上がってくるらしい。高齢にも関わらずいまだ現役で、歯切れよく豊富な技術事例を紹介する姿に感動した。心底技術が好きじゃないとできないな。
私みたいに会社とプライベートを割り切っててはこの世界では生き残りこそすれ大成することはないだろう。研究所の人間は技術に精通してなきゃ存在意義がない。本当は誰も歩いたことのない道を歩くようじゃないといけないが、実際は言い訳の開発をしてリスクのない道に逃げ込んでる。技術内容を聴講しただけにとどまらず、技術者として襟を正さねばと思った一日だった。
