１年くらい前から友人の影響で「痛いニュース」を見てるのだが、最近それ関連のまとめサイトも覗くようになった。偶然に面白いやりとりを見つけたので貼っておく*1。普段、意識的にリンクは貼らないようにしている。ブログとは記事に対する感想を書く場所なのにｗ。それは、自分が後で読み返したときにわからなくなるのを防ぐためである。今回はそれにも増して秘孔をつかれてしまった。これは私の根源に関わる重要なことだ。
このやりとりが面白い理由は、私は哲学を専門に勉強したことはないが、現役のドクターとほぼ同じ感覚だったことである。私の場合、ドーキンス、養老孟司、大村氏あたりから影響を受けた。認識論と自然科学がベースというところであろうか。「数学で数学を証明できない」「時間と位置は正確には決められず確率的である」「光は粒子と波の性質を持つ」「加速する宇宙船で感じる慣性力と重力の区別はつかない」・・・。
ポストモダンと実存主義、「生きることに意味なんてない。意味を与えるのは自分である。」なんて主張にうなづいてしまう。身体動かすのがいいよ、とかの下りも「こいつわかってるな」って親近感を覚える。もし、生きる意味はない、なんてことに西洋思想が近づいてるとするなら、東洋思想だったら元々そんな感じだし、それこそ構造主義じゃないのだろうか。構造→脳ミソであり、人間が人間である限り、哲学的アプローチをしても科学的アプローチをしても同じとこにたどりつくんじゃないだろうか。人間が人間を越えるということは人間を否定することだから。
クオリアに関して「私が赤いと思っていて、他人が赤いと思っていても、同じ赤だと認識しているかどうか」という問題がある。そんなことわかるもんかってのが説になっているのだが、科学的にそれは大筋で同じ赤じゃないのかなと思っている。赤という光の波長を認識する脳が人によってそんなには差があると思えないからだ。そりゃ細かく言えば差があるかどうか証明はできないけど、世間的に誰が見たって赤は赤って確率が高いだろう。正規分布の中心となる真値が絶対にわからないけど、データの平均値を使っているのと同じだって。ただ、少し複雑になった場合は、例えばある事件が起きたとして、それについてどう思うか、というときに対しては、確率に確率を掛けていくわけだから、思いっきり個人差が現れるわけですな。
この人は「主観は他者との関係性で形づくられている」なんてことを書いてる。私も「菊と刀」を読んでから、自分がこうやりたいと思う衝動すら、他人の影響を強く受けていると思い始めている。例えば、場所が変われば常識が変わるなんてよくある話だ。滋賀に行ってから、甘言にやられた口だから、言葉の裏の意味が読めるようになった。ほとんどの言葉は、その人が自分の用事を解決したいだけであり、会社やましてや世の中の得になるとは限らなかった。「権力は暴力で支えられてる」なんてまさに的を得ている。会社は公的な場所である。「会社では演技して、プライベートで自分の好きなようにやる」という私の考えは、支持されるべきだろう。
「一緒に走りたい」としつこく引き止められたこないだのアレは、向こうの立場から見ればああいうふうに書かざる得なかったのかもしれない。普通「自殺したい」って言ってる人に「じゃあすれば」なんて言わないわな。ある意味、彼らにとっては私が仲間との関係を断絶することが自殺するようなもんだったのかもしれない。でも、私としてはプライベートで自分が心地よいと思えないところに長居はできないという判断をした。もし、これが仕事だったり、１億円あげるって言われたら走っていただろうに。仲間と良好な関係を築くには走り続けなければいけなかった。そこまで負担しなくても仲良くなれる人を探すよということである。仲間には走る以上の繋がりを感じていたのに、それを走る以外の形で具体化できなかったのが残念でならない。結局、何を書いても自分を肯定することになる。それが自分で意味を与えることなのだから。
よくこのブログを長く続けてることに驚かれる。ジョギングの練習が苦にならない人がいるように、私にとってはブログは楽しいものである。最初は、研究者としてブログをいう新しい情報発信源を自分で試してみたかったし、文章力を強化したかった。大前提として自分のためにやっている。だから、人に見せる必要はないのかもしれない。ただ、公開していると、人とのコミュニケーションの足しになることがわかった。あとで気づいたが、これはドーキンスの言うところのミームを残す作業じゃないか。だから書きたいのか！
哲学を無理に勉強しようとは思わない。考えが整理されるというより、知らなくていいことまで知ってしまいそうだから。既にある程度自己完結してるし、他人との関係性の中でいかに仕事をさばくかというところまで昇華できてるよ。プライベートに関しては私の好きなようにやるだけさ。私が気持ちよくなる以外の意味なんてないから。
