びーの独り言

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品質保証のための信頼性入門

品質保証のための信頼性入門

品質保証のための信頼性入門

 滋賀に住んでいるときに品質保証関連本と一緒に三省堂で買った。仕事の中で出てきた信頼性という概念が知りたかった。今の仕事とは関係ないが、環境計量士の内容を含んでいる。
 この本の読破には大変苦労させられた。今回4回目のチャレンジにて制覇することができた。なぜ苦労したかというと、非常に読みにくいのである。著者は大学教授であり、内容も大学の教科書みたいなのだ。事細かく正確に丁寧に書かれているが、理系特有の読みやすさは捨てた文章になっている。電車で読むには眠くてなかなか進まず、また読んでも頭に入ってこなかった。さらに後半になるにつれて、統計学、確率論、微分積分等の知識が必要となった。偶然にも大村氏の著書を読んだおかげで前に進めるようになったが、もし遠回りしなかったら間違いなく不良債権化していただろう。
 信頼性とは「アイテムが所定の条件の下で、所定の期間、要求機能を遂行できる能力」のことである。よく話題になる信頼性試験には、耐久性試験、寿命試験、環境試験、加速試験等がある。これらの故障率を求めてメンテナンス頻度などを決定していく。
 うちの業界では信頼性という概念がない。大問題にならない限り誰も理解しようとしないだろうし、おそらく問題にもならないと思う。安さ命の製品で信頼性を保証して価格を上乗せなんてありえないからだ。ただ、電機業界などとつきあうためには品質保証の常識を知っておかないと、いいものを作ったとしても全くお話にならないだろう。特に人の命に関わる乗り物などの分野ではなおさらだろう。もはやISO9001ですら古く、その上の規格が出てきている。モノ作りをしている者にとっての常識として知っておきたい内容である。