びーの独り言

どこいくの?どっか。

2014/01/04(土)「旅行8」

 起床は7時半だった。今日は酒田を観光するつもりだった。9時、駅の観光案内所でマップをもらい、自転車を借りた。無料なのが嬉しかったが、後で吹雪の中の自転車は身体が冷えまくって偉い目に遭った。
 まずはお寺が集中している地域を回った。結構大きな寺がいくつも並んでいたが、どれが有名というわけでもなく。誰にも出会わなかった。
 相馬樓という昔の料亭に行ったが、開いてなかった。光丘文庫で記念撮影して、山王くらぶへ。元料亭の建物に資料が展示されているが、商売気が強くて。
 マップで海向寺に即身仏が2体祀られていることを知った。気が重いので入るのをためらったが、せっかくだからと勇気を出して。年配の女性が出てきて、部屋に入れてくれた。仏壇のような囲いが2つあり、女性が各々の観音開きを開けると、中には座禅を組んだ即身仏が現れた。即身仏は真っ黒で小さくて法衣をまとっていた。空気に緊張感が走り、神々しい何かを感じずにはいられなかった。身をもって衆生を救いたいということだろう。その命懸けの教えの前には、私の悩みなどほんのとるに足らないものに思えた。自然と手を合わせて頭を下げていた。インパクト抜群だった。
 11時、B級グルメのあとがけやきそばを狙った。「米沢屋」、あとがけやきそばとは、後でソースをかけるやきそばである。普通のやきそばだと、ソースに熱がかかりおいしくなくなるそうである。この理屈には違和感を覚えずにはいられなかった。だとするなら日本中のやきそばはすべてあとがけにすべきではないか?食べてみると、麺とソースがケンカしてた。これはマズイ。こういうこともあるよな。
 NKエージェントビルへ行った。ここは数年前に話題となった映画「おくりびと」の撮影現場である。私はこの映画を見たことはないが、酒田で撮影したことは知っていた。待ちおこしのために映画を誘致したらしい。中ではDVDを流していた。断片的に見たところ、確かに撮影現場であることがわかった。それ以上に、とても魅力的な映画に思えた。いつか見てみたいと思った。
 鐙屋に行った。ここは回船問屋だった建物。江戸時代の商家はどこでも似たようなもんだなあ。
 13時、酒田ラーメン「満月」。人気店の評判通り軽く並んでいた。酒田ラーメンとは、醤油とトビウオの出汁に、薄いワンタンが特徴である。出汁は、薄味でしょっぱいけど、いつまでも飽きない感じだった。ワンタンも見たことがないくらい薄くて繊細だった。やきそばさえ食ってなきゃ。
 山居倉庫に行った。明治に建てられた米の保存倉庫。いまだに現役で使われている。米蔵が何棟も連なっていて、裏に西日を避けるために欅が植えられていた。この欅並木の雰囲気がすごくよかった。
 市立資料館に行った。酒田は最上川下流に位置し、水運の拠点であり本間という豪商を輩出した。さまざまな文化が花開いたとなっていたが、私の中ではマイナーな町だ。一番気にしていた戊辰戦争庄内藩最強説に関しては、わずかにしか書かれておらず、しかも最強どころか降伏したことが強調されているように見えた。明日の鶴岡に期待しよう。
 酒田から鶴岡に移動し「α-1」。雨が降り風が吹き出かけるにはとても寒かったし、繁華街は1.5kmほど離れていた。ここまで来たらタクシーだ。太田和彦セレクションの1軒目は休みだったが、2軒目はやっていた。「庄内ざっこ」、第一印象はあんまりよくなかった。うまいんだけど、お通しだけで店をチェンジしようかと思ったら、板さんとのカウンタートークが始まった。地元トークは何よりの肴だよなあ。最後にはすっかり気に入っていた。