びーの独り言

どこいくの?どっか。

北海道を守った占守島の戦い

北海道を守った占守島の戦い (祥伝社新書332)

北海道を守った占守島の戦い (祥伝社新書332)

 昔大学友人Sと靖国神社に行ったとき、終戦直後の千島でソ連軍との戦闘が起き、ソ連の北海道侵攻を防いだ、ということを知った。なぜほとんど語られることがなかったのか?その出来事がずっと心にひっかかっていた。こないだこの本を「LIBRO」の店頭で見つけたとき、迷わず手にしていた。
 戦いが起きたのは1945年8月18日、終戦の3日後。場所は千島列島最北端の占守島、日本の最北端でもあった。日ソ不可侵条約を破棄したソ連は、満州南樺太に侵攻し、さらに北千島にも乗り込んできた。当時現場では武装解除の準備をしていたが、深夜の上陸は停戦行動ではないと判断、直ちに自衛のための反撃に転じた。当初現場では攻めてきたのがアメリカかソ連かわからなかった。占守島の戦いは日本軍が有利なまま1日で停戦となった。ソ連側の統計では、日本側の死傷者1000人に対し、ソ連側の死傷者は1567人。勝った要因としては、十分な備蓄と戦力を保持していたことが挙げられる。でも、武装解除した人たちは、シベリアに連行されてしまった。
 2日で1回読んだ。この本は停戦交渉を行った長島大尉の話を核としている。戦闘シーンの描写が細かくて、手に汗を握りながら一気に読んでしまった。今に生きる私たちは、命懸けで日本を守るために戦った人たちがいたことをきちんと語り継がなければいけないのではないだろうか?良書でありお薦めです。