びーの独り言

どこいくの?どっか。

蜘蛛の糸・杜子春

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

 芥川龍之介の2冊目。これまた超有名。
 はっきりと知らなかったが、童話集だった。収録は「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」。
 「蜘蛛の糸」について、後書きに印象的なことが書いてたのでメモっとく。「どんな罪人にも慈悲の心があること、それによって人間が神仏に救われ得ること。しかしまた自分ひとりだけよい目にあおうとするエゴイズムが、結局は他の人々を救われないものにするとともに自分をも破滅させる。」。「トロッコ」の未知への恐怖は凄く理解できる。「猿蟹合戦」で蟹は死刑になったという下りは実にシュール。
 どれも味わい深い話だった。技巧的であり読ませる技術が凄い。短編にすっきりとまとめられてて、簡単に読める。もっと他も読んでみたい。