びーの独り言

どこいくの?どっか。

2007/08/02(木)「助言」

 2年間の工場経験についてはこのブログでもリアルタイムでお伝えしてきたが、改めてメモっておこうと思う。私自身が考え抜いて出した結論である。あとどうするかは自己責任でお願いします。
 仕事に過剰な期待をするのは良いやり方ではない。いやで仕方がないのが仕事と捕らえ、半分遊びくらいの心構えでいたい。組織は自分独りのものでないから思い通りに行くことの方が少ない。そもそも誰もが皆、役割に応じて仮面を被っているだけである。だから役職が変わった瞬間に言うことが変わるし、部下を働かせるためには、甘い言葉で騙したり、脅して無理矢理にでも従わせようとする。この上司部下の関係がある限り、どこに落としどころを見つけようとしても部下は上司にはかなわないのである。部下の運命は上司に握られていると言っても過言ではない。いちいち一言一言の言葉に一喜一憂するのも馬鹿馬鹿しい。本当のことは現実に起きていることだけである。
 自分独りが頑張ったところで上司の理解を得られなければ誰も動いてはくれない。さらにその上がものわかりがよい場合はいいが、どこを切っても金太郎飴だったらどうしようもない。こんな会社は長く生き残れないと思うかもしれないが、うちの業界はシェアNo.1で価格コントロールして生き残っているのである。研究所が何をしたところで特に影響はないのである。ましてや一人がどうにかしたところで代わりはいくらでもいるのである。
 上司は部下に無駄な仕事をさせているケースも多い。仕事を終わらせれば、失業してしまうから、部下も薄々わかってはいるもののこれに甘んじてしまう。この馴れ合いがずっと続くと部下はやがて骨抜きにされてしまう。だから、従っているフリをしながら陰ではちゃんと勉強しなければいけない。そうしないと部下という役割に応じた狭い考え方しかできなくなってしまう。また、上司への報告はわかりやすくアピールしないといけない。いくら手を動かしたところで報告を理解してもらえなければ全て無駄である。一つでも多く実験するよりも、なるべく実験せずにモノを作らなければいけない。頭を使ってナンボである。
 企画段階でできないものはいくら頑張ってもできない。理論上不可能なものはいくら根性を見せても無駄である。それから、開発とはつきつめれば設備に投資することであるが、ここの研究所は薬品配合だけに頼っている。最後に設備投資が回収できる見通しが立たず中止になることが多いが、そんな研究は最初からやらない方がいい。モノ作りは売る以外に結果はない。
 いやな仕事でも早く帰れるなら割り切るべきだ。さっさと帰って自分のために時間を使った方がよい。上司がうるさいなら、「やりますやります」と言ってやらないのがいいだろう。何か言われたときは「ちょうどやろうと思ってたところです」と答えればよろしい。これ古代エジプトからあった技。いつの時代も人間のやることは同じだ。一番シャレにならないのは、なんでも真に受けるパターン。上司は「何かあれば言って来るだろう」と仕事を押し込むだけ押し込むものだ。部下は自分の能力が足りないと思い、最悪の場合は鬱病になる。仕事が抱えきれない場合は遠慮なく上司に丸投げすればよい。それは個人の問題かもしれないが、自分が病気になるくらいなら組織の問題に摩り替える方がマシだ。
 今本当に必要な仕事は満身創痍の現場に落ちている。仕事がしたいなら現場を希望すればいい。そのかわり、やりがいは得られるが、拘束時間は確実に長くなるだろう。結局、どこに行ったところで何か満たされれば何かが満たされないものなのだ。現場に行くとわかることは、何かを改善しようと思ったときに一番のネックになるのは人の先入観である。これが全てだと言っても過言ではない。嫌味を言われても笑顔で頭を下げてお願いしますと言えるようにならないといけないのである。これは研究所でも同じだろう。人のために頭を下げてこそ仕事とはよく言ったものである。
 所詮人生には解はない。生きてるだけで丸儲け。自分のやりたいようにやればいい。あとは自分の天運を信じて進んでいくだけさ。身体だけは大切にしたい。