びーの独り言

どこいくの?どっか。

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

 梅田の紀伊国屋で買った。待ち合わせ時間に買うのがある意味定番かとw。こないだ偶然NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組の総集編を見たときにこの話を知った。NHKと言えば「プロジェクトX」で散々お世話になった。NHKに対しては、食傷気味だったのだが、なんとなく手に取っていた。
 無農薬でリンゴを作る話である。世の中に無農薬をうたっている野菜や果物はあるが、リンゴほど難しいものはないという。主人公の人は10年かけて無農薬でリンゴを作ることに成功した。最初はNHKぽい文章でイヤな予感がしたが、途中からの盛り上がり方は凄かった。多少演出めいたものも感じたが、早く続きが読みたくなる、そんな内容だった。自然を農薬で押さえつけるのではなく、自然を生かすというやり方を見出した。農薬で崩れた生態系を元に戻すと、リンゴの木は本来の生命力でもっておいしい実をつけるようになった。観察すればするほど、自然はいくつもの要因が重なって均衡が保たれていた。それは人間関係にも通じるものがあった。誰かが誰かに影響を与える関係、人間は生かされている存在であった。「馬鹿になれ」とはよく言ったもので、自分が持っている先入観を捨て去り、裸の自分になったとき、見えてくるものがあるんだと。打ち込めるものがあり、人生を賭けてそれを成し遂げた。凄いとしかいいようがない。
 希望と勇気が湧いてくる。諦めずに自分を信じて頑張ればうまくいく。私は頑張れてるだろうか?思わず自問自答してしまう本である。ここでこの本に出会えたのも何かの縁なんだろう。私のやりたいことは何だろう?