びーの独り言

どこいくの?どっか。

2009/10/31(土)「乗鉄」

 起きたのは5時台、大学友人Sからのメールだった。酒がガンガンに残っていて完全に二日酔いだった。約束してたのは週末日帰りパス。2人以上で使用可能で、1人6000円、エリアは那須塩原上毛高原小淵沢、伊東などで特急の自由席が乗り放題、なによりもいくつかの私鉄に乗れるのが嬉しかった。私鉄ってのはローカル色が溢れてていい雰囲気を醸し出している。まるで映画を見るような感覚。千葉みなと−蘇我−五井−上総中野−大原−東京−高崎−前橋・・・中央前橋−西桐生−中央前橋・・・前橋ー高崎−下仁田−高崎−東京−御茶ノ水−東京−千葉みなと。
 蘇我で待ち合わせ0722の特急で五井まで。五井からは小湊鉄道いすみ鉄道。ここは今回タダ。昔、一度経験済みだが、Sは初めて。関東にいながらローカル気分を味わえる。小湊鉄道の車両が相変わらず一昔前ならぬ二昔くらいのいい味を出してた。どこまでいっても同じ景色。これが房総半島クオリティ。いすみ鉄道は黄色いレールバス。前と違ってムーミンがフューチャーされてた。なぜムーミンなのかよくわからない。WIKIを見てると、けちょんけちょんに書かれていた。国鉄になる前から赤字だったのに、赤字を国に被せるために建設されたとか。モータリゼーションで赤字転落はあっても、最初から赤字なんて相当にダメっぽい。資本金は2億6千万円で、年間1億の赤字は酷すぎる。2009年度の結果を元に廃止論が展開されるそうな。今回が最後になっても不思議ではない。
 特急で東京へ。東京からは上越新幹線で高崎へ。高崎から前橋。前橋からは10分ばかり歩いて、上毛電気鉄道中央前橋駅へ。この私鉄は両端がどことも接続していないという珍しいパターン。中央前橋駅はネーミング的にも弘南電鉄の中央弘前駅をイメージさせた。あのレトロな駅調を想像してたら、偶然の一致かどんどんさびれた繁華街の中に導かれた。突然現れた駅舎は想像に反しガラス張りで今風だった。ここはエリア外なので自腹、フリーきっぷ購入は800円。車両は東急(京王?)の払い下げ。こじんまりとした雰囲気。自転車が持ち込まれてて驚いた。サイクルトレインを名乗っているところは東北にもあったけど、実際に何人も自転車を持ち込んでいるのを見たのは初めて。高校生が多かった。沿線はひたすらに田んぼと点在する民家。今ここに存続しているということは、そこそこのお客さんがいたわけで。地元の足の便利さは地元の人しかわからないもんだ。終点西桐生駅は関東の駅100選。外壁のコンクリートが薄い茶色でいい味出してた。確かに味はあるんだけど、ずば抜けてるわけじゃなかった。関東以外だったらいくらでもありそう。
 高崎へ戻り、今度は上信電鉄。ここも今回タダ。高崎駅のゼロ番ホームに併設。一昔前のJRの通勤電車のような車両。上毛電気鉄道と似てて、田んぼと点在する民家。そして賑やかな高校生。終点の下仁田に着いたときは真っ暗だった。ここも関東の駅百選で背の低い木造駅舎だった。下仁田は温泉が出るわけでもないのに温泉街のような雰囲気。少し歩くと古びた天井の低いいかにも旅館風といった建物に「こんにゃく料理」と書かれた白い鮮やかな暖簾がかかっていた。Sの下調べで旅館で料理を食べれるとのことだったので、きっとそれのことだろうか。「常盤屋旅館」は由緒あるような旅館に見えた。板張りの廊下、6畳くらいのたたみ部屋。他にはお客さんはいなさそう。3100円のこんにゃく9種コース。湯葉風、めんたいこ味、酢味噌和え、甘味噌和え、酒盗和え、素麺風、味噌田楽、てんぷら、鳥煮込み。どこまでもこんにゃく、こんにゃく自体には味はないのだが、いろいろなバリエーションを楽しめた。特に酢味噌が良かった。これぞ旅行の醍醐味といったところだろうか。
 高崎から上越新幹線で東京。御茶ノ水から神保町に移動してカラオケ「パセラ」。京葉線の終電1本前に乗って帰った。今回の新幹線や特急の移動は楽チンだった。しかも独りで行くより断然よい。旅は道連れ。第2弾も今から期待。