びーの独り言

どこいくの?どっか。

手紙

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

 元々小説への関心があまりなく、1年前に意を決してチャレンジした「博士が愛した数式」の印象も悪くてw。なのに読もうと思ったきっかけは、こないだ大学同期Fが感動したと言っていたから。題名は知ってたから多分話題作だったんだと。
 あらすじは、強盗殺人を犯した兄と、その兄のために差別を受ける弟の話である。特に弟の身に起こるさまざまな出来事が中心となる。自分は悪くないのに世間からは冷たくされる。うまくいきそうになると兄の経歴が問題になる。でも、それを前提として這い上がるしかないのだ・・・と思っていたら、そこから想像以上の展開を見せ始める。
 読み終わるまでに2回以上泣いた。激しく感情を揺さぶるなにか。爽快感とかではない。人の絆とは一体なんなのか、優しいことが逆によくない結果を生み出すのか、運命とはなんと不条理で過酷なものなのか・・・。ここまで極端じゃないにしても、似たようなことは誰にでもあてはまるだろう。だから、頭を殴られたような衝撃。いつまでも考えてしまう。凄いの一言。