びーの独り言

どこいくの?どっか。

2006/12/09(土)「漫喫」

 「栄光なき天才たち」を探したが見当たらず。代わりに「Dr.NOGUCHI」全17巻を読破。先週の「マラソンマン」と同時期の作品。大体13年前くらいの連載。話は脱線するが、この著者の前著「名門第三野球部」は高校時代のいい思い出。愉快な友人Tが、「主人公に似てる」って言ってたのが印象に残っている。当時、酒井法子がブレイクしてて、”まなぴー”と呼ばれてたり。それがtamayanとこでゲームやってるうちに”まなを”だもんな。エライ昔の話だ。
 さて、この作品、野口英世の物語である。子供の頃、伝記と言えば、野口英世二宮金次郎キュリー夫人だった。今でも定番なのだろうか?改めて触れてみると、とても新鮮に思う。かつての日本が持っていて、今の日本が失ったものがある。金銭的、身体的ハンデを不屈の精神と努力で切り開いた物語。特に、野口英世が母から手紙をもらうシーンは感動。このシーンだけは昔からずっと覚えていた。人を信じること、前向きに努力することがどれほど素晴らしいかを教えてくれる。
 携帯電話やネットが普及した世の中、私たちはいつでも簡単に誰にでも連絡を取ることができる。しかし、そのことが言葉の重みを低下させたり、大切なものを忘れさせてるのではないだろうか?理屈だけではない、意味のない時間だって成熟させるためには必要だった。それが促成栽培みたいな現代、私たちはなんでもできるようになったのかもしれないけど、この道しかないという真剣さはなくなった。選択肢がたくさんあるが故に忍耐を奪い去ってしまった。人に対しても敬意を払わなくなった。感情をもたない機械と同じ扱い、人間軽視の考え。近所付き合いを避け、職場ではプライベートには立ち入らず、行儀の悪い他人を注意できなくなった。私たちは問いかけられてるのかもしれない。かつて子供の頃、思い描いていた世界はこれだったのか?これから先に築き上げる世界は、希望に満ち溢れた世界でなければいけない。おそらく私たちは、未来に何かを伝えるべくして存在している。