びーの独り言

どこいくの?どっか。

確率のはなし

確率のはなし―基礎・応用・娯楽 (Best selected business books)

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 大村氏の第5弾。統計の前に確率が怪しかったりして。大村氏の本は大学院一般教養レベルまでをカバーしている。この本では確率の基礎からゲーム理論マルコフ過程エルゴード性まで触れられている。
 大村氏の本はわかりやすいと同時に独特のいい回しが面白く、時に物凄く哲学的である。例えば、この本では確率の倫理が述べられている。「世界の強国がその政策決定を行うための手段として、確率的な現象をコンピュータにモンテカルロ・シミュレーションをさせて判断の資料を作り出すことが行われているようです。最終的に判断するのは人間ですが、その判断を決定づける資料が'確率'によって作られているのですから、この場合、偶然が人間の判断を決定していると考えることができます。もし、その偶然が人類を破滅に追い込むような失敗をやらかしたとしたら、いったい、どういうことになるのでしょうか。」。
 大村氏の本は、公式の教育教材としては普及しないだろうけど、ユーモア溢れる文章で楽しい世界へと導いてくれるのである。およそ20冊くらいあるのでまだまだ楽しむつもり。