プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
- 作者: P・F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 単行本
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ドラッカー2冊目。MBA本って著者が同じだと内容も同じになるので、読むつもりはなかったのだが、koufuuのお勧めがあったので寄り道してみた。この本は、今までの著作を自己啓発分野に限定してまとめたものである。。
著者がいつも主張していることには、資本主義社会の次には知識社会が到来、これからはナレッジワーカーの時代、役に立ってこそ知識、などなど。ドラッカーに初めて出会ったときは衝撃だったのだが、時間が経つにつれて考えが変わってきた。知識偏重はなんとなく怖い。みなが勉強しだすとルーチンなんて誰もやらなくなってしまう。「武士道」における考えでは、知識は卑しいものとされた。そうとまで言わないが、知識よりも人間を尊重することが先じゃないかな。
印象に残ったのは、一番最後「何によって憶えられたいか」。これは「利己的な遺伝子」のミームではないか?デール・カーネギーの言うところの自己の重要感にも通ずるところがある。自分が生きている意味は、人からの評価によって決まり、それは自己の重要感を満たすということか?この場合、必ずしも評価∝知識ではないと思うし、人からの評価に委ねるとすれば、今の私なんて最悪やでw。
自己啓発本は全てプラスの方向に引っ張ろうとするが、いくら考えてもキリがないし、敢えて言うのであれば、二面性を越えていくことじゃないだろうか。宇宙で言うところの対象性ではないが、痛い思いをした後はいいことが待ってるし、上り坂と下り坂の数は同じだ。年をとるにつれて人に対して優しくなれるのは、ありのままを受け入れることができるから。喜怒哀楽を越え、何事にも動じない心を手に入れることが理想じゃないかと思うわけで。
期待が大きすぎたのか、自己啓発本に飽きていたのか、免疫ができてしまったのか、特に驚くことはなかった。それと、まとまりがなくて寄せ集めな感じがする。著者が一体いつに書いたのかがわからないのだが、つまり言い出しっぺなら尊敬できるのだが、そういうことを抜きにしてコヴィー「7つの習慣」の方が好きだなあ。