- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/07/31
- メディア: 単行本
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サイモン・シンの第2弾。前作「フェルマーの最終定理」がめちゃめちゃ面白かったので購入。
暗号の技術の発達から、それにまつわる人々の話。一般に技術とは通常広く世に認められてこその技術だが、暗号は全く逆で世にはバレてはいけない性質を持つ。したがって、そこには無名の人々がたくさん登場する。特に、第二次世界大戦でエニグマという暗号機を製作したドイツと、誰もが諦めた中で解読に挑んだポーランド技術者の戦いが熱い!戦後はコンピューターが主役となり、数学者の時代となる。素数は暗号の鍵になり現在の主流になっているが、量子コンピューターが登場すると解読される可能性がある。それに対抗して理論的に完全無欠な暗号システムが量子暗号である。
この本もめちゃめちゃ面白い。彼は驚異のサイエンスライターだ。その完璧な取材力と表現力にはただ脱帽。彼の著書に出会えてとても幸せを感じる。暗号技術は、いくら頑張っても業績が表にでることはなく、それでも多くの人の命を守ってたりする。それが普通のドラマにはないこの本独特の絶妙な味を醸し出している。理系なら読むべきだ。技術系であったことに感謝するくらい絶対に面白い。