課長のMさんは、一緒に仕事したことはなかったが、東京時代から面倒見がいいことで有名だった。しかし、私が滋賀に赴任して来た時は、その面影はなくなっていて、厳しいを通り越して理不尽にさえ映った。それにあまり技術調査も市場調査もしていないように見えた。一体、何をしてるのだろうという感じだった。
しかし、最近は見方が変わった。社長直結テーマのために、Mさんはゾッとするくらいたくさんの指示を捌いていた。その指示は社長の取り巻き連中が容赦なく浴びせかけるもので、早く作りに行け、いつまでに報告しろ、なぜできない、なぜ調べていない、あれをやれこれをやれ、とまさに集中砲火だった。
その火の手はすぐにでも私に飛び火するだろう。実際、今日はそんな感じだった。今後、実務が律速となり、爆弾が私の所に回ってくることが予想される。ポリマーの世界はとても時間がかかる。どこまで責めに耐えれるだろうか?