ダムと鉄道―一大事業の裏側にいつも列車が走っていた (交通新聞社新書)
- 作者: 武田元秀
- 出版社/メーカー: 交通新聞社
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
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これも「国際ブックフェア」交通新聞社からの一冊。題名がマニアックすぎて即決だった。
昔、物を運ぶには鉄道が利用されていた。鉄道の中には、ダムを建設する資材を運ぶために敷設されたものや、ダムが建設されるために線路が湖底に沈み新線につけかえられたものがある。この本ではダムと鉄道の関係を紹介している。
目次はマニアには垂涎ものの物件だらけだった。
1.黒部ダム―黒部峡谷鉄道・関西電力黒部専用鉄道
2.白岩砂防ダム―立山砂防工事専用軌道
3.長島ダム・井川ダム―大井川鐵道井川線
4.奥只見ダム・田子倉ダム―JR只見線
5.佐久間ダム―JR飯田線
6.八ッ場ダム―JR吾妻線
著者はダムと鉄道が好きな元新聞記者。専門家ではないが、よく調べてあって驚いた。廃道サイト「山さいがねが」と同じように郷土史も抑えてあった。探索もなぜかレンタカーを使わず、バスを駆使。季節限定のバスとかよく見つけるよなあ。こういうこだわりのあるスタイルは私は好きだ。
取り上げられた路線すべてがわくわくさせられ、同じルートをたどってみたくなった。また黒部上部軌道と立山砂防工事専用軌道の公募の話は参考になった。本気で応募してみよっかな。
ダムの説明についてはいまいちだった。専門用語が多くて、もっと基本的なことを説明して欲しかった。また地図や景色や外観などの説明だけではイメージするのが難しい箇所が多かった。もっと写真や絵を使って欲しかった。
面白かったけど、1回だけにしておいた。覚えるような内容じゃない。またルートをたどることがあれば大いに参考にしよう。鉄道ファンにお薦め。