びーの独り言

どこいくの?どっか。

パンドラの匣

パンドラの匣 (新潮文庫)

パンドラの匣 (新潮文庫)

 太宰治の作品。ブックフェアで購入。「ヴィヨンの妻」と同じ動機。これも映画化されるとのこと。
 「正義と微笑」「パンドラの匣」の二本が収録。「正義と微笑」は学生の日記、「パンドラの匣」は学生が友人へ送った手紙、という形式になっており、この2つの作品は雰囲気が似ている。「斜陽」の時もそうだったが、キャラクターに違和感を覚える。年齢の割りに考え方が深かったり、どこか一般人とは違う。それとも昔の人は成熟が早かったのか、私の考えが未熟なのか。いずれにせよ、太宰が自分とは違うキャラを描写するのは無理がある。太宰の真骨頂は「津軽」「人間失格」に見られるような赤裸々な自伝的告白に尽きる。
 「ヴィヨンの妻」「パンドラの匣」、この2作が映画になるとしたら、原作不足すぎ。なぜ有名作からやらないのだろう?