- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/20
- メディア: 新書
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話題の本。Sにも勧められた。
これは面白い。一気に読んでしまった。養老孟司の第2弾か?日本文化を絶賛。形式ばった西洋文化をめったぎり!数学の話を持ち出して、必ず証明不能なものがある、という理屈を展開。論理だって事を運べば必ずや矛盾にぶちあたることを指摘。それに対して日本の文化では、証明抜きにして「ダメなものはダメ」で成立してきた文化であると紹介。なるほど、三段論法でいけば極論にしかたどりつかないもんな。東洋哲学的考えでは曖昧こそが本質。つまり答えなんてないのだ!武士道を持ち上げ、貧乏であろうとも精神が豊かであることが一番であると!私は著者に同意する。
論理的には矛盾をはらんでいる。もっとちゃんと考えれば、経済の仕組みがあってこそ今の便利な社会があるわけだし。ただ単に理屈ではなく感覚的に気持ちいいということ。我々は素晴らしいんだって思えることが慰めになるのだ。
著者は数学者、論理的でありながら宇宙を夢見ている。正しいかどうか別にして勇気を与える一品。日本人とは何か考えるいいきっかけになるだろう。