びーの独り言

どこいくの?どっか。

百年の孤独

 ジュンク堂の池袋店の店頭に並んでいた。大学友人Sが買ったと言ったので、話のネタに買ってみた。著者はコロンビアのガルシア・マルケスノーベル賞作家。題名くらいの前情報しかなかった。
 読み始めて、独特の世界観で独特の文体で読みにくかった。どこかよくわからない街が舞台でどこの国かもわからなかった。ノリが英語圏ではなく、南米なのかなというのは察したのだが?
 文体は散々修飾語が長くて一体どこにかかっているのかがわかりにくかった。日本語にするから訳わからなくなったんだろうか?修飾語の表現や発想は多彩で美しかったり汚かったり現実離れもしてたり、著者の頭のよさを感じさせた。千打ちゃ三つくらい当たるみたいな。
 そのうちに本当に訳わからなくなってきた。わからないままに遭難するレベルではなく、なんとなく話にはついていけた。そして、知らない間に場面が急展開するようになった。私もなんだか急に面白くなったりした。ふんわりしながらもいつの間にか話が進んでいく感じは人生に似ているのかもしれない。
 訳わからなさの原因は、修飾語な長いというのに加えて、登場人物がことごとく同じような名前だったことも挙げられる。巻頭に登場人物の家系図があったが、ほとんど同じ名前でどんどん増えるもんだから、最後は何度も参照しなければいけなくなった。あれっこいつどんな設定だっけと思ったら最後。前の方を探してもまず見つからなかった。
 後書きは訳者が書いていた。大学教授。この後書きも輪をかけてさっぱりわからなかった。笑うしかなかった。もう一人、筒井康隆が書いていた。こちらはまだマシ。シュールレアリスムが入ってるとのこと。超現実主義。日常を抉り出す手法。読んだことないけど、大江健三郎もこんな感じらしい。ノーベル賞とやらは意味不明じゃないと取れないのか?なんかさ、こういう系って、皆でわかってるって言い合う「言語ゲーム」にしか感じないんだよね。
 Wikipediaを見てたら、南米を中心に大ヒットしたらしい。南米の人たちの厳しくて苦しくて浮かばれない一生をよく表してるらしい。そんな人生観は日本人にはピンとこないなあ。まとめると、シュールレアリスムが日本人には合わない、南米の人生観が合わない、だから無理。
 とにかく読みにくかった。毎日電車で読んだけど、まったく前に進まなかった。読書力は鍛えられるんじゃないか?その鍛えられ方が果たして必要なものかは疑問だけど。筒井康隆が「族長の秋」がもっと凄いと書いていた。一部を引用してたが、確かにぶっ飛んでいた。読むならそっちの方が面白そう。