東北道佐野SA。夜中はひっきりなしに車が出入りしてざわざわしていた。特に重低音をズンズン響かせている車。SAはしょうがない。朝方トイレに行きたかったが、めちゃくちゃ雨が降っていたので、ずっと我慢してた。710、起床。SAの売店で万世のカツサンドは800円。高い!それと「さのまる」の描かれたコーヒー。かわいい。万世のカツサンドはローソンよりも塩辛くてパンがベチャッっとしてただただ不味かった。開発担当は売られてるのを食べたことないだろ?出発しようとしたら、目的地はあったが、開店までの待ち時間をどうするかが決まってなかった。探してると、ここだというところが見つかった。
8時、出発。日光道へ入り今市ICで下車。
855、東武下今市駅。ここの構内にはSL展示館があった。この施設のことは全然知らなかった。東武は2017年からSL大樹を運行していた。ちょうど私が乗り鉄しなくなった頃であり、今さらSLを復活させるなんてよくわからんって感じで興味もなかった。今さらながら下今市だったことに気付いたくらい。駅舎は茶色ぽくきれいに塗装され、明治時代をイメージしているようだった。めっさ頑張ってるやん。完全に観光に全フリしていた。180円で入場。
構内にはレトロな青い客車があるのが見えた。もしかして?いる?と思ったら、オレンジ色の凸型のDLだった。これはこれでよかった。奥のホームには幾重にも車両が停まっていてよくわからなかった。SL展示館は線路の反対側なので、奥に行くための跨線橋を渡ってると、シュッと音がした。あれっと思い、下を見ると別にSLはいなくて特急がいた。特急かな?と思ったら、またシュッと鳴った。これは確実にいる。
跨線橋には、写真のパネルがあったり、展示の説明があった。そこにはSL大樹のために、転車台を江津駅から移設したと書いてあった。また鬼怒川温泉駅にも三次駅から移設したと。最初、SLの話を聞いた時、へー、転車台あるんだ、くらいのイメージだったが、移設までしたんか。しかも、2台も。東武鉄道、めっさ本気やん!コスパは知らんけど、仕掛けとしては素晴らしいと思った。
跨線橋の反対側のエレベーターには中2階にSL展示館があり、1階に転車台広場があった。最初にSL展示館に行ったら、SLが見えそうな窓はなかったので、転車台広場に急いだ。エレベーターの1階の扉が開くと、明らかにSLの気配がした。視界の先は広場になっていて、その先には転車台と3台分の機関庫があった。機関庫あるんか?機関庫には1台のSLが入庫していた。SLはC11 123だった。でも、さっきからの気配はこのSLではなかった。とりあえず、転車台と機関庫の写真を撮った。
線路の方には別の茶色の客車がいた。これか?転車台とは逆方向を見ると、煙を吐くSLがいた。後ろ姿しか見えないのが悔しかった。エレベーターを使って、跨線橋から隣のホームに移ったら、SLの手前に普通電車が停まってて邪魔だった。クソっと思ったら、普通電車は去っていった。ようやくSL全体を撮ることができホッとした。
SLはC11 325。煙突からは黒い煙を吐いていた。私はこのSLを圧縮空気で動く奴と勘違いしていたため、まるで本物みたいな煙の色だなと思った。何のことはない、後で知ったのにはこのSLは本物だった。
跨線橋から中2階のSL展示館に行った。跨線橋には煙のにおいが立ちこめていた。最初にまさかの東武矢板線の説明。近いっていや近いけど。矢板線は東武鬼怒川線の新高徳駅と東北線の矢板駅を結んでいた。矢板線を最初見つけた時、よくこんな場所に鉄道敷いたなあと思った。そして、需要があるとはまったく思えなかった。案の定矢板線は1959年に廃止された。さて、SLの資料で目を引いたのは、SL大樹を運行するまでの準備だった。機関庫は新築、SLのために職員を20人くらい養成したとか。めっさ大プロジェクトやん。そりゃ自慢したくもなるって。
転車台広場に戻ると、SLはバック運転かつ推進運転で走り去っていくところだった。しまった!動くなら教えてよ!SLは遠くで停まった。これはもしかして?放送が鳴った。「まもなくSL大樹が2番ホームに入線します」。跨線橋を伝って2番ホームに急いだ。
2番ホームにはポツポツと人がいた。雨が降ってるからか三連休としては寂しかった。かくいう私も入場券だがw。SLが入線するシーンを動画で撮った。停まってる時よりも凄い煙を吐いていてド迫力だった。頑張ってる感じが凄かった。雨が降ってたのが余計に迫力を増したのかもしれない。こんな場面に遭遇できてラッキーだった。停まったSLの先頭に行くと、皆が記念撮影をしていた。こういうのは少し待つと人垣がなくなる。その時を見計らって写真を撮った。
下今市駅には昔の跨線橋も残っていた。この辺りの駅には登録有形文化財が多いことが紹介されていた。へー、知らんかった。
SL大樹ですっかり満足してしまった。945、出発。川治温泉に向かった。川治温泉は鬼怒川温泉の北にある。何度も通過したことはあるが、入ったことはなかった。
10時半、川治温泉薬師の湯。河原にある露天風呂。外から混浴で丸見えらしい。内湯もありそうだから来てみたら、谷間に景色とは不釣り合いな巨大PCコンクリート橋。野岩鉄道だった。鉄建公団は本当に税金の無駄だなあ。鉄ちゃんにはたまらんけどw。谷にはまったく人気がなかった。そして、内湯だと期待したところにはキャンプ場があった。私はキャンプ場が若手である。なぜここを選んだんだろう?スルーした。
1045、湖畔亭ほそい。ここが本命だった。そばは減塩の敵だが、3週間前の味が忘れられなかった。11時の開店を狙った。既に2台の車が待っていた。11時前に開店。さらに1台車が来た。国道の旧道でしかもどん詰まりなのに、人気だなあ。
今回は山菜そばにきのこを入れて見た。味がしなかった。万世のサンドイッチが余計だったか。それとも三週間前に舌が慣れちゃったか。はたまた山菜ときのこの相性が悪かったか。いずれにせよ失敗だった。
1140、道の駅湯西川。3週間ぶり。トイレ。さて、本当に行くとこがなくなってしまった。よくわからないままに会津若松に向かうことにした。
会津西街道を北上した。とても紅葉が美しい場所が現れた。今回は紅葉には期待してなかった。それは今の時期は紅葉にはまだ早く、今年は暖かかったから大した事ないだろと思っていたからだった。思いがけず紅葉と遭遇したことで少しやる気になってしまった。もっと北に行けばきれいな場所があるかもなあ。でも、すぐに普通の景色に戻った。紅葉は木を選ぶんだな。そりゃそうか。
栄螺堂を目指した。これは二重螺旋構造の不思議な建物だった。前に来たことがあったが、ブログに記録してなかった。ナビの案内で着いた場所は飯盛山だった。そうか、前は飯盛山のついでに来たのか。後で調べると、前に訪れたのは2012/9/1だとわかった。私は飯盛山は好きではなかった。戦いもせず諦めて切腹したことを美談として語るのは到底理解できなかった。それにここには墓しかない。あとは土産物屋。なんか組み合わせも異様。駐車場を探したら500円だった。こんな土砂降りの中で500円払ってまで見に行くつもりはなかった。
1510、野口英世記念館。2013/4/30以来2回目。前はレンタカーで来た。私は野口英世が好きなのでもう1回来てみた。受付で1200円を払った。高いなあ。「野口英世記念感染症ミュージアムに先に行って下さい」と言われた。前にはこんなんなかった。「4時になったら最終入館となり、4時半に閉館となります」。なんか閉まるの早くない?
野口英世記念感染症ミュージアムは、感染症についてまとめられていた。これはこれで面白かったが、野口英世はほとんど関係なかった。皆、野口英世だから来てるのに、なぜこっちを先なんだ?そのうち館内放送で最終入館の10分前であることが告げられた。
野口英世記念館には野口英世の生家があった。これは前に見たので、野口英世が幼少の頃落ちた囲炉裏の写真を撮って先を急いだ。展示室は明らかにリニューアルされていて、やたら説明が簡単になっていた。そして、説明の流れがめちゃくちゃだった。感染症ミュージアムはやたら詳しかったのに本命の野口英世がこれでは悲しかった。しかも、母親のシカの手紙が何の紹介もなく唐突に出てきた。これでは感動も台無しである(それでも感動するけど)。それに前回一箇所野口英世が放蕩してたことを臭わせる文があったのだが、放蕩には一切触れられてなかった。これでは神格化となんら変わりがなかった。ひたすら改悪されていて残念だった。相当なヘタクソがプロデュースしたに違いない。田舎あるあるだ。もしかして、前の施設は遺族からクレームがついたのかな?
夕食は抜くつもりだったが、旅行に来て食べないのはもったいないと思った。超久しぶりにソースカツ丼を狙った。かつていくつも店を回ったことがあった。1650、十文字屋。磐梯カツ丼。カツは450g。減タンパクのおっさんが食べていいものではないだろ?ビッグなカツが4枚入っていた。一目見て無理だと思った。若い時だってこれは無理だ。カツのソースは甘かった。そうだ、これが会津のソースカツ丼だ!肉は脂身ばっかりでブヨブヨしてた。肉の余りの部位で作ったのか?キャベツの千切りはちょびっと。あとはご飯。頑張ったけど、食べきれるわけもなく、カツもご飯も半分残した。逃げるように退店した。
温泉を探した。今回、温泉でゆっくりするのが目的の一つだった。喜多方の温泉を目指した。
18時、蔵の湯。やたらキャンピングカーがいるなあと思ったら、ここは道の駅で「喜多の郷」という名前だった。温泉は敷地の一番奥だった。とても敷地は広くたくさんの車が停まっていて大人気だった。蔵の湯は300円だった。安すぎるわ。これは混む。受付の人も「今日は混んでます」と言った。
芋洗い状態を覚悟したけど、アライバが少し混んでる程度だった。お湯は黒かった。鉄分多目かな?湯槽に浸かるととても気持ちよかった。1日中雨で冷えていたのかな?それとも車中泊だと冷えるからかな?ここんとこ仕事が忙しく気持ちが疲れていたのもあるだろう。いつもはカラスの行水だけど、ゆっくり幸せを噛みしめるように浸かった。天井が高くて木組みだった。これは数%で一番の屋根かもしれない。
湯上がりにベンチに座ってブログを打った。その前に、この道の駅のことを調べてみた。昨年車中泊してるし、なんなら一昨年もトイレに寄っていた。この辺りはよく来るからなあ。2050、退館。そのまま寝た。
今日は旅行に出られただけで満足した。目的地が決まらない中でSL大樹を見ることができたのは僥倖だった。その後はgdgdだったが、それもまた旅である。