びーの独り言

どこいくの?どっか。

2022/07/23(土)「奈良」

 615、起床。645、出発。
 710、東大寺南大門。でかさに驚かなくなった。
 7時半、大仏殿。もう何回目かわからないくらい見ている。大仏はでかいとは思わなかったが、両隣にあった虚空蔵菩薩坐像と如意輪観音菩薩坐像はでかいと思った。後ろにあった広目天立像と多聞天立像も四天王としては異例の巨大さだった。
 8時半、法華堂。2回目。前回感動したが、今回はそこまでのインパクトはなかった。ただ、じっと見ているうちにやはり凄いと思った。迫力のある四天王、それに勝る不空羂索観音。神々の世界を見ているよう。当時の最高技術を惜しげもなく注ぎ込んでいる。仏像を見るなら日本で一番の場所だ。
 9時半、東大寺ミュージアム。3回目。内容の濃さでは興福寺の国宝館と双璧を成す。法華堂にあったと言われる日光菩薩立像と月光菩薩立像があった。国宝。まるで法華堂の四天王のような素晴らしい造形だった。さらに戒壇堂の四天王があった。これも大きさは少し小さいものの法華堂の四天王と似ていた。というより法華堂の四天王が普通より大きいのかもしれない。踏まれている邪鬼がとてもユーモラスだった。
 1020、正倉院に向かったが、途中で休日は閉まっていることに気づいた。前にも同じ間違いを犯しており、暑い中、30分も無駄に歩く羽目となった。
 1115、新薬師寺。2回目。ここの十二神将も法華堂の四天王と似ていた。仏師が同じ?以前、明日香で出会った人が本堂にステンドグラスがはめてあると言ってたが、前回私はそのことをすっかり忘れていた。今回ステンドグラスを探してみると、東側の閉ざされた扉のわずかな隙間からカラーの光が漏れてることに気づいた。住職に聞こうかと思ったが、忙しそうなので断念した。外から該当箇所に行ってみると、思いっきりステンドグラスがはめこまれていたが、明るいところから見たので色は目立たなかった。国宝の本堂にそういう改変をするのはどうかと思うが、おそらくその辺りは考慮されてるのだろう。
 1205、福智院。奈良の仏像を紹介する本に載っていた。ならまちの中にあった。元興寺十輪院は行ったことがあるが、福智院は初めてだった。ここには日本最大の地蔵菩薩坐像があるらしかった。行ってみると、なにやら騒がしかった。今日は地蔵盆だった。かわいらしい小さな女の子がやって来て、「中に上がっていいよ」と言うので、本堂に上がらせていただいた。
 地蔵菩薩坐像は丈六のように大きかった(実際高さ2.7m)。光背が舟形だった。光背にはたくさんの小さな地蔵菩薩が現されていた(567体、わかる人はわかるw)。最初は立ってウロウロして見てたけど、そのうち赤絨毯に座って眺めてると、隣の方で住職とおばちゃんがお客さんとしゃべっていた。その内容があまりにもマニアックなトークだったので耳を傾けていた。すると住職が「三月堂の不空羂索観音」と言ったら、おばちゃんが「三月堂なんてない。二月堂じゃないの。四月堂だったらあるけど」と言った。三月堂とは法華堂の別名だった。四月堂を知ってるなら三月堂はわかりそうなもんだが?私は横から口を挟んで、法華堂のパンフレットを見せた。そこから、おばちゃんと住職の話が始まったw。
 住職とおばちゃんとはいろんな話をした。特に仏教に関する話は面白かった。さすがプロ。いろいろ面白かったのだが、冒頭に迎えてくれた女の子が、実は男の子というのが一番驚いた。福智院のおばちゃんから16時にイベントするからよかったらどうぞと言われた。
 1335、大安寺に向かった。奈良市内で私が行ってない最後の有名寺院だった。こないだまで奈良国立博物館で特別展示をしていたから期待していた。交通機関がないので、歩くしかなかった。普通の町の中を暑い中1時間歩いた。
 1435、大安寺。苦労してたどり着いたのに宝物館はやってなかったorz。また大安寺は荒廃した寺院を復興してるところで、2つのお堂を拝観したが、何の見所もなかった。これは大ハズレだった。
 1505、再び歩いた。バスにしようと思ったが、福智院にはほとんど近づかなかった。歩くのが一番早そうだった。タクシーでもよかったが、見つからなかった。何の面白くない道を再び1時間歩いた。
 1605、再び福智院。おばちゃんに促されて、ざるに乗った白い砂を掴んでお釜に入れた。お釜がブーンと唸った。すると鳴り護摩というらしい。まったく知らなかった。お釜に入れた白砂をもらった。清めてあるので玄関に撒けばいいらしい。
 私はパイプ椅子に座って近くに住んでるおばあちゃんといろいろ話した。すると、近所の子供たちが10人くらいお姉さんに引率されてやってきた。そして、地蔵菩薩の前で歌を歌った。かわいらしくてほほえましかった。子供たちはレジ袋に詰め込まれたお菓子をもらって帰って行った。
 17時半、住職の読経が始まった。途中から般若心経が入ったのはわかった。隣のおばあちゃんも唱えていた。読経が終わり、おばあちゃんと再びしゃべっていた。奈良はいいですよという話をした。
 18時半過ぎて、おいとました。おばちゃんから、レジ袋をもらった。お札、お供え物が入っていた。加えて、三ツ矢サイダーの缶と餅2個をもらった。おばあちゃんがホテルまで車で送ってくれた。その途中で奈良ホテル、浮見堂、若草山の土産物売り場に行ってくれた。その気遣いが嬉しかった。19時、近鉄奈良駅で別れた。東横インに戻った。
 たまたま訪れた日が1年に1回の地蔵盆だった。子供の頃に地蔵盆はあったが、参加した記憶はなかった。お菓子がもらっている子が羨ましかったのを覚えている。ご縁をいただくというのはまさにこういうことなんだと思う。近所付き合いのよさと、人の暖かみを感じた。おばちゃんが「あんた独身でしょ?相手探しとくわ」と言った。でも、名前も教えてないよ?こういうのが面白い。仏像だけでなく奈良の文化に触れることができたのがとてもよかった。