びーの独り言

どこいくの?どっか。

2022/07/22(金)年休「奈良」

 615、起床。7時、チェックアウト。王寺駅7時半のバスで法隆寺前まで。
 法隆寺は2回目。前回の訪問以降、仏像をたくさん見て仏像の見方も勉強したので、改めて法隆寺の仏像を見たかった。
 南大門を潜り、歩いて行くと、伽藍があり、伽藍の向こうに五重塔が見えた。8時、受付。伽藍の中へ。
 正面に大講堂、左手に五重塔、右手に金堂、回りは廻廊で囲まれていた。目に入るものすべてが国宝だった。
 大講堂には薬師如来坐像日光菩薩坐像、月光菩薩坐像。薬師三尊は国宝。脇侍として四天王像。あれっ?有名なやつではない?
 金堂に戻ると、有名な釈迦如来座像があった。国宝。思ったより小さかった。面長、アーモンド型の目、衣装のシワが左右対象で、布の柔らかさはなく石のよう。飛鳥時代の特徴だった。釈迦如来坐像の右には帝釈天、左には毘沙門天。これらも国宝だった。さらに右には薬師如来坐像、左には阿弥陀如来坐像。四天王像は国宝。最古のものらしい。従来のものと全然違って表現が大人しかった。踏まれている邪鬼も写実的ではなく冗談みたいだった。
 大宝蔵院は宝物館だった。国宝だらけだった。冒頭から夢違観音。なんだったっけ?夢殿とごっちゃになっていた。
 玉虫厨子。国宝。これは凄いという記憶があった。玉虫の羽を敷き詰めているらしい。今の見た目ではわからない。究極の工芸品に思えた。
 百済観音。国宝。これを見たかった。百済観音はインドの像が百済から伝わったものとされるが、江戸時代からの記述しか存在しなくて、素材や造形から飛鳥時代に日本で作られたものと考えられている。見た瞬間、ひょろっとしてゴボウみたい、とにかく異常に細い。日本一細いのではないか?そして、顔はかろうじて目や鼻などがわかるくらいで、正直亡霊みたいで怖かった。手には水瓶を持っているが、持ち方が指でつまんでいる。何から何まで異形だった。
 橘夫人厨子。国宝。橘夫人は藤原不比等の妻で、当時とても権力があった。厨子は玉虫厨子ほどではないが装飾が施されており、中には念持仏の阿弥陀三尊が納められている。蓮華座の下部が細い茎になっており、説明文では熱帯の植物のようだと書かれていたが、それはないと思った。
 夢殿に行った。八角形の建物。法隆寺と言えば、夢殿というくらい有名だが、なぜそんなに有名なのかいまいちわからない。中には有名な救世観音などがあるが、公開してなかった。想定内。
 10時に中宮寺。2回目。教科書に載っている弥勒菩薩半跏思惟像。世界三大アルカイックスマイルと言われている。教科書の写真がいいような?これだけに500円はコスパが悪い。
 1109、法隆寺前からバスで薬師寺駐車場まで。
 1210、薬師寺。2回目。正面に大きな金堂。再現建築で朱色に彩られていた。両脇に三重塔の東塔と西塔。東塔は国宝。「凍れる音楽」と形容される。うまく言ったもんだ。西塔は西岡常一の再現建築で色鮮やか。
 金堂には、薬師三尊。日本を代表する仏像と言われる。見るのは2回目だが、とても素晴らしかった。全体的に黒光りしており、宝飾具も黒光り。これは銅造で一体成形のため。よくみると金箔が少し残っていた。元々金色の仏像だったのだろう。脇侍の日光菩薩月光菩薩もかっこよかった。前回の説法で「薬師如来はお医者さん、日光は昼勤、月光は夜勤の看護師」と言ってたが、力強くて男性的で看護師にはとても見えなった。
 金堂の奥に講堂。弥勒菩薩坐像。脇侍は法苑林菩薩(ほうおんりんぼさつ)と大妙相菩薩。聞いたことないなあ。裏からは台座が見えた。台座にはギリシャペルシャから伝わった文様があり、インドの神様や中国の玄武青龍白虎朱雀も表現されていた。奈良時代シルクロードを伝わって外国文化が入っていていた証左とされる。
 また裏側には国宝の仏足石と国宝仏足跡歌碑があった。仏足石は仏陀の姿を模するのは畏れ多いので足の裏を拝んでいたものである。仏足石の絵がインドから唐に伝わり、それを遣唐使の一人が写し、日本に持ち帰ったところ、別の人が石に刻んだ。これらの経緯が石に刻まれている。一方、仏足跡歌碑は仏足石のことを歌に読んだものとされており、五七五七七七の形式を取る。万葉仮名で書かれた最古の国語文とされる。
 国宝の東院堂に行き、国宝の聖観音立像を見た。薬師寺の薬師三尊、弥勒三尊、聖観音はすべて銅像で黒光りしていて、同時期の作に見えた。
 歩いて唐招提寺に向かった。1310、「大納言」で天ざるそば。
 1450、唐招提寺。2回目。金堂の外観は感動的である。ここに来ると「天平の甍」という言葉を思い浮かべる。
 金堂の中は素晴らしかった。真ん中には毘盧遮那仏。光背にはたくさんの仏様。左には千手観音。これまた有名。たくさんの手があり、今は1000本に足りないが、最初は1000本あったと考えられている。右には薬師如来立像。薬師如来の立像は珍しい。後は梵天帝釈天。四隅には四天王、すべてが国宝だった。
 大講堂。弥勒菩薩坐像。増長天持国天。こちらはすべてが重文。
 近鉄西ノ京駅から1454発で大和西大寺駅まで。
 15時、大和西大寺駅北口。7/8に日本中を震撼させた安倍元首相銃撃事件はここで起きた。橋上駅舎から事件現場の方を見てる人たちがいた。同じ方を見てみるとテレビで見た場所だった。じいさんが子供に「あそこに3人SPおるやろ」と説明していた。歩道の角にはたくさんのカメラマンが陣取っていた。献花台は撤去されたのに何かあるのだろうか?降りていって、カメラマンの横を通り過ぎると、暑いのに全身黒のスーツの男性がいた。これがSPだろう。車道脇に車が3台止まっていて、SPがうろうろしてた。現場検証とも違うし、要人が乗るような車でもなかった。私は一旦通り過ぎて、道路を渡って反対側の歩道を駅に戻った。駅から現場の方を見てたら、横断歩道の上で見知らぬ4人が横一線に並び、現場の方に向かって手を合わせてお辞儀をしていた。何?そしたら待機していたカメラマン達が一斉に4人を取り囲んだ。帰ってから調べたが何だったかはよくわからなかった。
 1522発の奈良行きで終点奈良駅まで。
 1545、興福寺東金堂。3回目。薬師如来坐像と脇侍の日光菩薩月光菩薩重要文化財。日光月光は山田寺から強奪したもの。仏頭のように黒光りしていた。国宝ではないのか?四天王、文殊菩薩坐像、維摩居士坐像が国宝。維摩居士は仏像ぽくなくて目立った。十二神将は小ぶりながらもユーモラスなポーズをしており、これらも国宝だった。
 16時、国宝館も3回目。ここは国宝だらけで興福寺の力を見せつけている。国宝の仏像の15%は興福寺であると聞いたことがあった。。
 天燈鬼・龍燈鬼は邪鬼をテーマにした珍しい像。写実的でありながらユーモラス。いつ見ても楽しい。
 山田寺仏頭は前回十分に堪能したのでパス。
 十大弟子八部衆は相変わらず凄すぎるとしか。特に阿修羅像は日本仏像史上屈指の名作。なんでこの阿修羅は少年のような顔になったのだろう?先週の三十三間堂の阿修羅は怖い顔だったのに。修羅場というくらい阿修羅は怖いイメージなんだけどなあ。
 帰り道で「草間彌生版画展」をやっていたので立ち寄った。1650、ギャラリー天平ならまち。草間彌生は水玉のような丸をたくさん使う。ポップな色使い。かぼちゃが特に有名で、福岡市美術館で大きなかぼちゃを見たことがあった。このギャラリーには一部屋に作品が飾られていた。版画だからか同じ構図で色違いの物が対で飾られていた。その色の半分くらいは金属粉が入っていてキラキラ輝いていた。私はこのようなキラキラするのは落ち着かなくてあまり好きではない。こういうのは草間彌生ぽくないと思った。
 1710、「天理スタミナラーメン」、チャーシュースタミナラーメン大盛。18時、東横インにチェックイン。
 今日は有名なところばかりを回った。たくさん回ったので書くのが大変だった。何回もネットで調べて正しい情報か確認した。まただいぶ省略もした。法隆寺はそれほどでもなかったけど、薬師寺唐招提寺は再発見だった。いろいろ似通っていて、特に四天王なんて何回も出てきたのでどんなだったか思い出すことが難しかった。忘れてら何度も楽しめるということにしておこう。