びーの独り言

どこいくの?どっか。

2022/05/15(日)「京都」

 7時半、起床。815、出発。昨日は目的の青もみじが少なかったので、今日は青もみじを狙った。目標は八瀬の瑠璃光院で、その前に一乗寺圓光寺に寄るつもりだった。
 地下鉄四条駅から烏丸御池経由で京阪三条駅。京阪に乗り換え、出町柳駅下車。9時、叡山電車に乗り換え、一乗寺下車。乗り換え大杉。初乗り取られまくった。
 915、詩仙堂圓光寺に行こうとしたら途中にあった。名前からして凄そうな感じがした。実際、建物はただ者ではない雰囲気を醸し出していた。庭に面した和室には一人が座れそうな青い絨毯が市松模様に敷かれていた。私は最前列に座り、景色を独り占めにした。庭は刈り込まれたさつきで囲われ、バックは山の借景。白砂の目は細かくて繊細だった。あまり主張しないことに好感を覚えた。色んな音が聞こえた。水の流れる音、蛙の鳴き声、鳥の囀り、鹿威しのコーンという音。帰ろうとしたら、私の後ろにはたくさんの人がいた。ツアー客か?
 950、圓光寺。いきなり庭があったが、見たことがない様式で、ここぞとばかりいろんなものを詰め込みすぎて、とても酷いもんだった。どうやら平成になってから作られたらしかった。もっと勉強した方がいい。
 本命の庭は、地面が苔に覆われ、青もみじがとても美しかった。青もみじの理想の庭だった。縁側には赤い絨毯が敷かれて、部屋の中から見ると赤色がいいアクセントになっていた。しばらく部屋のど真ん中に座ってじっと庭を見ていた。この景色を独り占めしていることがとても贅沢なことだった。
 1055、曼殊院門跡。当初予定になかったが、近くにあったので。門跡とは皇族が住職をやっているところ、以前滋賀院門跡に行ったことがあった。建物の規模が大きくて、庭もたいへん立派だった。ただ部屋の中から庭を撮影できず、写真的にはあんまりだった。一応国宝の複製が展示されていた。
 修学院離宮の前を通った。行きたかったが、事前予約制だったので諦めていた。すると、テントがあり、その下に長机が設置され、おばさんとおじさんが座っていた。張り紙がしてあって、当日券があった。これはチャンスだと思った。当日券は15時からが空いていた。瑠璃光院に行って返って来れるか心配だったが、一応予約した。
 12時、赤山禅院。当初、予定になかったが、近くにあったから。延暦寺塔頭。拝観料がなくて、神社みたいだった。10分で撤収。
 叡山電車修学院駅から八瀬比叡山口駅まで移動。新型車両の「ひえい」だった。正面に大きな楕円、窓もすべて楕円。インパクトのある意欲的な車両だった。
 1240、八瀬比叡山口駅前の「平八」でにしんそば。
 13時、瑠璃光院。ここに行きたかったのは、庭のもみじが漆の座卓に反射して、とても印象的な写真が撮れるから。拝観料は驚愕の2000円!イヤだったら来るなと言わんばかり。これぞ経済原理に沿った価格設定と言えよう。それでもお客さんは多かった。唯一無二のきれいな写真を2000円で買ってるようなもんだった。友人や知り合いに自慢する対価としては充分ということだろう。2000円も払えば、門のところで、記念撮影してもらえた。それからもらった袋には写経セットが入っていた。これは嬉しかったが、写経している時間はなかった。抱き合わせせずに、安くして!
 順路に従って2階に上がると、部屋の奥の窓から鮮やかな緑色が見えた。そして、奥には大きな座卓があった。座卓には景色がぼんやりと見えるか見えないか程度しか映ってなかったけど、皆が座卓の上にカメラを置いて、必死で写真を撮っていた。いきなりクライマックスかよ!試しに一枚撮ってみると、不思議なことに写真の中の座卓には、鮮やかな緑色の景色が写り込んでいた。まるでマジックを見せつけられてるようだった。そっから壮絶な場所取り合戦に参加した。
 1階の景色も素晴らしかったのだが、いかんせん2階の景色には敵わなかった。どの部屋にも人がウヨウヨいてガチャガチャしていた。そこには風情も何もなく、ただ撮影するだけの新感覚レジャー施設だった。
 14時、八瀬比叡山口駅を発車。修学院駅で下車。14時半、修学院離宮に到着。1440、受付開始。入ると警官が立っていた。さすがだ。
 15時、ツアー開始。参加者は20人くらい。ガイドの女性の後について、ぞろぞろ歩いて行った。後ろには男性の黒服さんがいた。
 下離宮、中離宮、上離宮のうち、まずは下離宮から。木の門を潜ると、庭と建物があった。写真を撮ろうとすると、他の人が入ってしまい、まったくダメだった。この時点で失敗ではと思い始めた。離宮離宮の間は、意外にも段々畑になっていた。これは離宮ができる前にあった畑であり、今でも一般の人が耕しているそう。土地自体は国が買い取っていた。中離宮は元々は寺だったとのこと。上離宮は回遊式の庭園で大きな池があった。地面は苔に覆われて緑だけど、まるでゴルフ場の芝生のように思えた。
 修学院離宮はよくお城に付属している庭園の豪華なバージョンだった。私はこじんまりとした箱庭の方が好きだ。
 叡山電車修学院駅から出町柳駅。バスで京都駅まで。途中、河原町通りを通った。一瞬、降りたくなったが、我慢した。降りても同じ繰り返しだ。
 1735、伊勢丹10階の拉麺小路にある「麺屋いろは」。富山ブラック黒醤油ラーメン。スープは黒く、味は辛くなく少し甘い感じすらする醤油味。意外とあっさりしていて美味しかった。麺の玉子麺がグッド。軟らかすぎるチャーシューも美味しかった。
 そのまま10階に空中径路があった。前から気になっていたので行ってみた。京都タワーが見えた意外は特に。もしかして初めてではないかも?
 せっかくなので伊勢丹の大エスカレーターの一番上を見に行った。このエスカレーターは上が吹き抜けになっていて、まるで天に駆け上がるかのような構造となっていた。私がこれを最初に見たのは98年の正月で、とても感動したのを覚えている。エスカレーターの隣は階段になっていて、階段の一段一段にLEDが埋め込まれていて、大きなスクリーンになっていた。これがかなりきれいだった。てっぺんまで上ると、そこは公園になっていた。もしかして、これも最初の時に来たかも?
 1853、京都駅発米原行きで帰った。家に着いたのは20時前だった。
 今日は、詩仙堂はなかなかよくて、圓光寺は当たりで、曼殊院はいまいちで、赤山禅寺は論外で、瑠璃光院は別の意味でインパクトがあって、修学院離宮はなんとも言えなかった。禅宗の寺には庭があり、お茶があった。それは日本の精神性を代表しているように思う。ただの金持ちの道楽かもしれないが、もう少し禅宗の寺を探したいと思う。