びーの独り言

どこいくの?どっか。

2022/03/06(日)「延暦寺」

 715起床。815出発。東横インの前には京阪京津線が坂道になった道路の上を走っていた。
 びわ湖浜大津駅827の坂本比叡山口駅行きで終点まで。昨日と同じ道をケーブル坂本駅まで歩いた。日吉大社の前を過ぎても上りは続いた。途中で物凄い大きな上り階段が分岐していた。バリバリ登山しそうな格好の人が2人上って行った。もしかすると、延暦寺に繋がってるのだろうか?さすがに歩いて行こうとは思わなかった。
 ケーブル坂本駅には運良くケーブルカーが停まっていた。自動券売機の所には駅員さんが立っていた。往復と片道があり片道にしようとしたら、「売り切れ」と書かれていた。えっ?時間が余れば鞍馬寺に行こうと思っていたのに。駅員さんが「2km歩かな行けませんよ」と言った。下りの2kmなんて大したことないやん、と思いつつも、往復にした。
 9時出発。乗客は10人だった。坂本ケーブルは2025mあり、日本で一番長いケーブルカーだった。ケーブルカーの席はクロスシートで琵琶湖側が見えるようになっていた。従って、進行方向は後ろとなった。
 坂本ケーブルには途中駅が2つあった。下車は事前申告制で、当たり前のように通過していった。秘境駅では?工程のど真ん中で降りてきた列車と交換した。これはケーブルカーの常識。常にど真ん中で点対象となるように電車が動いている。途中からは雪が降ってきた。そして、雪が積もっていた。天気が悪かったが、琵琶湖が見えた。三角形の山が見えた。三上山だった。
 10分でケーブル比叡山駅に到着。延暦寺根本中堂までは10分となっていた。雪が降っていた。山を切り開いた道は雪が溶けて濡れていた。
 受付で1500円を払った。「バスの乗り放題券ってどこで買えるんですか?」と聞いた。延暦寺は広くてバスで移動する必要があった。「冬季はバスないよ」。ガーン!確かに冬に走ってないことは知ってたのだが。来て早々に今日のプランが崩壊してしまった。
 延暦寺で一番有名な国宝根本中堂は改修工事中で全体が建屋ですっぽり覆われていた。それは折り込み済みだった。むしろその方が面白いではないか?昔、日光東照宮に行った時、輪王寺という大きな寺でも改修工事をしていた。足場に上って見学したのが印象に残っていた。
 根本中堂を取り巻く伽藍から既に建屋に覆われていた。門を入ると、もう一つ根本中堂への入り口があった。11間もあるので中はとてもデカかった。内陣を見ると、遠くて暗くてよくわからなかった。昨日の三井寺と似た感じだった。
 工事用の階段で上に上ることができた。屋根の葺いている部分が取り外されていて、下の板が剥き出しとなっていた。トントントンと金づちの音や、キュイーンと電ノコの音が聞こえた。
 根本中堂の前にある傾斜のきつい階段を上り、文殊楼に行った。別に門自体はよくある感じだった。下りの階段がとても怖かった。
 大講堂に行った。真っ赤だった。正直、色を塗っていると面白くない。昨日も書いたけど、なんで古いものにわざわざ色を塗るのだろうか?
 国宝殿。あれっ?比叡山に国宝の仏像あったっけ?でも、比叡山ほど有名だったら、と思ったら、伝教大師の言葉「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」が由来。たくさんの仏像があった。でも、粒は揃ってるけど、あんまり面白くなかった。やっぱり焼き討ちの影響かな?
 食事のために萬拝堂の前を通ると、昨日見た中国製の十一面千手観音菩薩と似てるのがあった。こういうのってよくあるのかな?宗教の違いを越えて、世界平和を祈るそう。
 11時半、鶴喜そば。またまたそば屋。腹一杯になった。窓の外の雪を見て千日回峰行のことが脳裏に浮かんだ。きっと行者はこんな日でも歩いている。結局、人は歩き続けなければいけない。歩き続けながらトラブルにも対応しなければいけない。そう考えると、今の仕事も辞めたところで、人生を歩き続けなければいけないことには変わりない。「一日一生」という酒井師の言葉が浮かんだ。厳しい寒さとあまり面白くないのも相まって、帰りたくなったが、せっかく来たのだしとできるとこまで頑張ることにした。
 坂を上り阿弥陀堂と東塔。ここもまた原色に彩られていた。
 ここまでは東塔地域。次は西塔へ移動することにした。歩いて20分らしかった。いきなり道に雪が積もっていた。スニーカーでは滑るのではと思ったが、なんとかなりそうだった。進んでいくと、受付があり、おじさんにチケットを見せるように言われた。「西塔から横川(よかわ)には行けますか?」「90分かかるから今日はお勧めしません」「遅くなっても東塔は通り抜けできます?」「できるけど、ケーブル5時半までだよ?」、横川は断念することにした。
 雪道を西塔まで歩いた。途中で長い下り階段に遭遇した。止めるかどうか考えたけど、やけくそで下ることにした。
 下った先には浄土院があった。ここは伝教大師の御廟だった。急に雲間から光が射した。伝教大師が歓迎してくれてるように思えた。
 さらに歩くと、にない堂と呼ばれる双子の建物があった。ここを過ぎると、長い階段の下に釈迦堂が見えた。
 1245、釈迦堂。三井寺の金堂を豊臣秀吉が移したもの。受付におばさんがいたが、居眠りしていた。だるまストーブがあったので暖を取った。すると、外陣の開いてる扉から横殴りに雪が吹雪いているのが見えた。光が反射してちらついた。
 東塔に戻るには、雪の積もった上り階段を吹雪の中歩かねばならなかった。休み休み上った。さっきの受付を過ぎたところで、派手にコケて雪まみれになった。
 そのまま一直線にケーブル比叡山駅に向かった。14時の電車で下山した。ケーブル坂本駅には貼り紙があった。バス、叡山ロープウェイ運休。結局坂本ケーブルしか動いていなかった。これで行きの時に片道が売り切れだった理由がわかった。
 時間はまだあったけど、疲れ果ててくたくただった。でも、もう二度と来ないかもしれないので、頑張ることにした。
 滋賀院門跡。延暦寺の本坊であり、皇室ゆかりでもある(門跡)。よくわからないままに入ったのだが、御殿という感じだった。説明がしっかりしていて好感が持てた。
 15時半、撤収することにした。坂本比叡山口駅から京阪膳所駅、JRに乗り換えていつものコース。
 この2日間、とにかく歩きまくった。くたくたになった。体力がないことを実感した。やっぱり休めばよかったとか、車で来ればよかったとか、時期が悪かったとかいろいろ後ろ向きだった。雪はきれいというより、ただの厄介者だった。
 三井寺はよかったが、日吉大社延暦寺は刺さらなかった。坂本はもう少しゆっくり探索する余地があるかも。リベンジするかは微妙だなあ。当たる時もあれば、外れる時もある。それも旅だ。