びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/12/04(土)「伊勢神宮&松阪牛」

 7時起床。調子はあんまりだったけど、松阪に宿を取っていた。松阪は3回目かな?後述するようにいろいろ思い出があったが、観光はしたことがなかった。三重の観光地を調べると、面白そうなのは英虞湾から南にあり、特に英虞湾を見渡す横山展望台が気になった。845出発。
 国道1号線鈴鹿の山を越えた。所要時間は1時間。思ったより早かった。県道10号線に入り、1015三重県総合博物館に到着。でも、この旅程では面白くなかった。せっかく車で来たのだからもっと先に行きたかった。地図で見ると、英虞湾まではもうすぐのような気がした。国道23号線で英虞湾を目指すことにした。
 国道23号線は津市内で片道三車線になった。三重県のことはあまり知らなかったが、結構都会だと思った。名古屋との繋がりが深いんだろうな。そして、国道23号線は渋滞してたorz。
 伊勢市に入ってもう一度渋滞したorz。幹線道路だから仕方ない。別に行くつもりはなかったけど、道なりに進むと伊勢神宮の内宮にたどり着いた。英虞湾にはまだ時間がかかるし、伊勢うどん赤福食べようか?
 私は内宮には行ったことがなかった。高校時代に伊勢神宮の外宮に行ったことがあるが、それをずっと伊勢神宮に行ったもんだと思い込んでいた。しかし、テレビで出てくる伊勢神宮はやたら華やかだった。なんかおかしい?そこでようやく伊勢神宮は内宮がメインであることに気づいた。
 入院してる時にTさんから「退院したら伊勢神宮で一泊しよう」と言われていた(色んなとこ行こうと言われていたけどw)。いつか伊勢神宮に行かなければいけないとも思っていた。
 1220、駐車場からスタート。駐車場は大きいのが何ヵ所も点在していた。観光案内所で地図をもらい、門前町を歩いた。物凄い人だった。こないだの高山を越えていた。でも、お伊勢参りとして、昔から日本で一番の観光地である。人が多いのは仕方ないと思った。門前町は時代劇のセットに出てきそうな感じだった。まさに一大テーマパークの様相だった。伊勢うどんのお店にはどこも行列ができており、入れそうな気がしなかった。先に伊勢神宮に行くことにした。
 大きな鳥居を潜ると五十鈴川を渡る橋があった。真っ直ぐに生えた木立の間に、玉砂利の参道が続き、人波が絶えることはなかった。じゃりじゃり歩いて行くと、お守りとかお札とか売っていて、そこを越えると、鳥居があって狭い石段があった。石段には右側に登る人、左側に降りる人でごった返していた。
 13時、正宮。ここに御神体があるのだろう。賽銭は真正面だけでなく、左右にずれたところにも投げ込めるようになっていた。真正面だからご利益があるような?神を信じない私も一応同調圧力に屈して、並ばずに済む右にずれたところから、小銭入れのすべての小銭を集めて賽銭を投げた。礼と拍手の回数をすっかり忘れていることに気づいた。
 帰り道で伊勢うどん赤福を食べようと思ったが、時間をずらしてもなんら状況は改善されていなかった。赤福の列に並んだけど、ピクリとも動かず速攻断念。別にここで食べなくてもいいやと酸っぱい葡萄理論。
 1340、駐車場の側にも赤福があり、空いてたのでぜんざいを食べた。焼きたての柔らかい餅が香ばしく、とてもおいしかった。
 14時出発。満足したので英虞湾は諦めて、松阪に向かうことにした。走りながら伊勢うどんを探そうとしたが、国道23号線にはまったく伊勢うどんはなかった。別に伊勢うどんを是が非でも食べたいわけでもないのでスルーした。
 15時、松阪駅前の東横インにチェックイン。さすがに始業と同時だから駐車場も入れた。ここからわずかな時間ではあるが、観光に行くことにした。
 観光案内所で地図をゲットしようとすると、焼肉屋「一升びん」の地図もあった。これから行こうとしてたのでゲットしておいた。一升びんは松阪の焼肉チェーンで庶民的なお店だった。昔、カウンターの隣に座った建設会社の社長さんと盛り上がり、その後スナックに連れていかれたことがあった。私の数ある旅行エピソードの中でも一二位を争うインパクトだった。今回、その人に会えるとは思わないけど、思い出に浸りたかった。
 15時半、城まで歩いていると、和田金があった。和田金は松阪牛の一番有名な店だった。そういやそういうのもあったなあ。店の前にメニューが置いてあったので近寄ってみると、女性店員が寄ってきた。メニューを見せてもらうと、目ん玉飛び出すくらい高かった。けど、日本で最高峰の松阪牛のさらに松阪で最高峰の店はどんなものか?観光してから寄るつもりが、強引に中に案内されていた。伊勢うどん食ってないし、腹には余裕があった。
 サーロインステーキ松150gは18000円だった。これは私の飲食代ランキングぶっちぎり1位だった。因みに2位は伊賀牛の8500円。伊賀牛でも背徳感があったのに、完全に心のバリアを越えていた。
 エレベーターで3階の個室に案内された。個室には掛け軸がかかっていて、絵が書いてる屏風があった。和室風ではあるが、部屋の真ん中には4人掛けの黒いテーブルと椅子があり、テーブルの上には中華鍋みたいな鉄の容器に灰が入っていた。
 和服を着たベテランの仲居さんがやって来て、サラダとステーキとデザートがあることを告げた。
 最初のサラダは「ヨーロッパ野菜にわさびドレッシングをかけ、お好みに応じてわさびをつけて下さい」。ヨーロッパ野菜なんて聞いたことないんだが?実際見たことない野菜が出てきた。いきなりのサプライズ。味もなんか今までとは違う。インパクトはないけど、きっとこれがうまいはず。
 すると仲居さんが焼く前のステーキ肉を持ってきた。小さいと思った。150gだもんな。「写真撮影しますか」と言われて、スマホで撮った。「焼き方はいかがいたしましょう」「生っぽいので」「ミディアムレアをお勧めしています」、よくわからんけど、それにした。
 しばらくして白くて横に長い皿にステーキが焼かれてやって来た。皿には、野菜が付け合わせでついていた。薬味が5種類用意されていた。岩塩、胡椒、わさび、大根おろし、ゆず。これとは別に醤油。あとは茶碗に白米と小皿に漬物三種。
 ステーキにナイフを入れた。柔らかかった。本当に柔らかいんだ!食べると脂っぽいだけで味がしなかった。なんだこれ?薬味を使うべきだったか?貴重な一口を損した気分になった。ご飯を流し込み、続いて、二口目は岩塩を使った。薄かった。もっとかけないといけなかった。
 三口目以降は必ず岩塩を使うようにした。他の薬味と組み合わしていくと、色んな味が楽しめた。とにかく脂がしつこいのでさっぱりさせる必要があった。脂っぽくなった口の中にご飯を書き込むと凄くおいしかった。ご飯がなければ肉を食べることは出来なかった。
 ひたすら次のサイクルを繰り返した。
   ・薬味をつけた肉を食べる
   ・ご飯を食べる
   ・野菜を食べる
   ・漬物を食べる
こんな食べ方をしたのは人生で初めてだった。味を本当に楽しんでる感じだった。きっとどの食材も最高級だからできる食べ方。これは安い店では気づかなかっただろう。一つの発見だった。
 薬味も漬物もすべてを食べなければ損だと思った。薬味を単独で舐めてみた。わさびは普通に辛かった。ステーキと合わせるとまったく辛くないのが不思議だった。塩も胡椒も単独では別の味に感じた。それだけ肉の脂が強いということか?
 ご飯は結局四膳も食べた。四膳は記憶になかった。白米が進む進む。肉の脂が強くてご飯自体の美味しさはわからなかったけど、きっと一番相性のいいものを選んでるに違いない。仲居さんがひっきりなしに「おかわりいかがですか」とやって来た。それが結構タイミング良くて、部屋のどこかに監視カメラがあるんじゃないかと思った。
 最後はアイスクリーム。半球型でクッキーが刺さっていた。レディーボーデンそのもの、もしくはそれを濃くした感じだった。アイスクリームはいじりしろが少ないのかな?
 お茶は渋かった。きっといいお茶に違いない。水もスッキリしてキレがよかった。残念なのは最初に出てきたお茶を飲まないうちに下げられたこと。きっとあのお茶はめっさおいしかったはず!
 最初、ステーキは思ったよりは凄くないと思ったが、食べ進めて行くと、やっぱりおいしいと思った。ただし、2倍高いからって2倍おいしいわけではなかった。脂が濃くてご飯が進みまくる。でも、進みすぎ。なんか無理矢理ご飯食べさされてる感じ。ひつまぶしが強引に美味しさをこじ開けてくる感じと似てるかも?もう少しあっさりでもいいと思った。味とコスパは牛タンの方がいい。もっと言えば、焼いた鯖、さんま、ほっけには敵わない。
 それでも、今回一度食べることができてよかった。究極の肉を体験して、凄くスッキリした。結構意識してないようで気になってたんだな。今後、ここがおいしさの基準となるだろう。