びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/10/17(日)「佐川美術館」

 行きたいところがなかった。滋賀に来た時、人生の目的を見失っていたところで、観光に活路を見いだしたが、行きたいところがなくなると、また人生の目的がなくなったような気がした。それでも、出かける以外にやることはなかった。今日一日は二度と来ない。12時出発。
 琵琶湖大橋を目指した。だんだん守山方面に抜けるパターンがわかってきた。事前調査にて琵琶湖大橋の直前に塩元帥があることがわかっていた。昨日の今日でやり過ぎだとは思ったが、かまうもんかと突撃。ここもまためっさ行列してた。この勢いだとあっという間に全国区になるかもしれない。
 琵琶湖大橋の手前を左折しようと思ったら、そのまま琵琶湖大橋に行きそうになった。すると、左折ができる分岐が現れた。その分岐は高架になっていた。行き先表示に「ピエリ守山」と書かれていた。まさかピエリ守山に行くことになるとは思わなかった。
 ピエリ守山は、ショッピングモールだったが、いつぞやかテナントがほとんど撤退してしまい、「生きる廃墟」と呼ばれる事態となっていた。そこでKG面子で見に行ったことがあった。空っぽのショッピングモールには今まで見たこともない衝撃的な光景が広がっていた。広い駐車場はガラガラ。中はスッカラカン。店が入っていたスペースには、ほとんどネットがかけられていた。フードコートではわずか1つの店しか開いてなかった。今すぐ潰れても不思議ではなかった。
 ピエリ守山は、完全に復活していた。職場のKクンから話は聞いていたが、ビックリした。駐車場は車で埋まり、建物にはテナントの看板がたくさん掲げられており、昔廃墟寸前だった面影はまったくなくなっていた。こんな交通不便なところなのに一体何があったのだろう?
 14時過ぎに佐川美術館。佐川急便と関わりがある。美術館の外観からして素晴らしかった。美術館の周りには浅く広く水が張られており、流れを作り出していた。水は常に形を変えながら、一時たりとも同じ姿を見せない。まるで時間の流れを現しているようであった。
 特別企画展は「スイス プチ・パレ美術館展ー珠玉のフランス近代絵画ー」。印象派からキュビズムまでの説明があり、フランス近代絵画の流れを系統的に知ることができて、とても面白かった。以下にまとめておく。
 印象派。動いている物を表現。光の描写に特徴がある。輪郭線を描かない。
 新印象派(分割派)。色をパレットで混ぜずに、原色だけで絵を構成する。点描とか線描とか。絵はぼんやりした感じになる。
 フォーヴィスム。写実より感覚を重視。色の鮮やかさを追及。輪郭線を使用。
 キュビズム。立体を平面的に描く。さまざまな視点を切り取り一枚の絵に描く。
 展示はなかったが、この後に具象から抽象になる模様。
 時代ごとの説明はあったが、一枚一枚の絵についての何がいいとかの説明はなかった。
 常設展示は、日本画家の平山郁夫と彫刻家の佐藤忠良佐藤忠良はほとんどが若い女性の裸体をモチーフとしていた。
 別館で樂吉左衛門マレーヴィチのコラボレーションをしていた。樂吉左衛門は陶芸家で茶碗を作っている。マレーヴィチはシュプレマティズム(至高主義:抽象性を徹底した絵画の一形態)の創始者として知られるらしい。2人の作品には共通する部分があるということで、同時に展示することとなった。樂吉左衛門の茶碗はどれもひたすら同じような形と模様で、マレーヴィチの絵はどれも四角形、三角形や丸が書いてるだけで、完全に落書きにしか見えなかった。抽象化したらもう理解の範疇を越えている。それとも理解しようとすることが意味がないのか?
 佐川美術館は刺激的なところだった。特別展は当たりでとても勉強になった。出発前に抱えていた憂鬱な気分はすっかり吹き飛んでいた。これに限らず、他の分野でも系統的に勉強する必要があるな。