びーの独り言

どこいくの?どっか。

2021/08/09(月)祝「高知」

 5時半起床。乗り鉄の朝は早い。珍しく途中で起きることなく、ぐっすり眠れた。睡眠時間は充分なはずだが、それでも眠かった。台風が近づいてきたので、JR四国のHPで運行情報を確認した。たくさんの特急が影響を受けていたが、私の乗る予定の特急は大丈夫そうだった。550チェックアウト。
 外に出ると風が強くて小雨が降っていた。HPで確認してもちゃんと電車が動くか不安だった。駅前のバス乗り場には高知行きのバスがありそうだった。いざとなればこれで。駅に着くと改札の横に大きな張り紙があった。HPと同じ情報が載っていた。駅員さんに「動きますかね」と聞くと「載ってないからなんとか動かすと思います」と言われた。
 自動券売機で買った切符は高知行きで、乗車券3230円、自由席特急券2200円だった。本当は18きっぷを使いたかったが、JR四国の普通電車には基本トイレがないくせに、阿波池田の乗り換えが2分しかなく、5時間ずっとトイレを我慢する自信がなかった。
 朝食を買おうと駅併設のセブンイレブンに行こうとしたら、駅員さんに「6時半からですよ」と言われた。外のセブンイレブンに行こうとすると、駅のベンチで若者が2人大の字になって寝ていた。駅寝かな?セブンイレブンでサンドイッチを買った。
 646発の特急剣山1号が入線して来た。2両の冴えないディーゼルだった。これは萌えた。もう二度と乗ることはないかもしれないと思い、写真を撮りまくった。
 朝早いとは言え、客はわずか2人だった。指定席要るのか?いや、JR四国大丈夫か?私の方が先に乗り込んだのに、うっかり被り席を取られてしまった。ギャー!逃した魚が大きすぎてずっともやもやしていた。
 徳島本線は徳島県吉野川の南岸を東西に走り、徳島駅阿波池田駅を結んでいる。私はM2の時に徳島本線に沿っている国道192号線を走ったことがある。その時は今と違って徳島自動車道がなく(徳島は日本で一番最後に高速ができた)、国道192号線吉野川北岸の県道を通るしかなかった。
 景色は昔と変わらずひたすら周りを山に囲まれ、田んぼか一軒家であった。唯一昔と違うのは、田んぼを潰してソーラー発電しているとこがあったこと。ソーラーなんて儲かってるのだろうか?
 特急はガーーー、ブルブルブルとうるさい音をたてながら、まるで快速のように小刻みに少し大きな町ごとに停車していった。でも、ここの町と言っても少し家の密度が高いかなと思わせる程度で、どの駅も時が止まったようなローカル線風情のひなびた駅しかなかった。とても特急停車駅とは思えなかった。全線通じて乗ってきた人はわずか2人だった。
 穴吹の手前から吉野川が近づいてきて並走しだした。江口駅を通過すると、いよいよ自動車教習所で走ったエリアだった。阿波加茂駅に停車。昔、この駅から徳島や高松に出かけたことが信じられなかった。それくらいひなびていた。電車が出ていく時、駅の待合室でお遍路さんのおじいさんが足を休めているのが見えた。駅寝?辻駅で急に横殴りの雨になったが、終点の阿波池田に着く頃には弱くなっていた。
 810阿波池田着。阿波池田駅はM2の時の下車駅で、思い出の駅なのだが、なんか前とだいぶ違った印象を受けた。駅舎やその隣のホームが新しくなっていた。乗り潰しで来た時は祖谷そばというそば屋でそばを食べたのだが、今は情緒の欠片もないセブンイレブンになっていた。駅員さんにそば屋のことを聞くと、「昔のことはわからない」と言われた。そんな昔じゃないんだが?
 829発南風1号は3分遅れで到着した。自由席でも余裕で座れた。席は1/4も埋まってなかった。JR四国。゚(゚´Д`゚)゚。
 高知へ抜けるこの区間国鉄屈指の難所であり、山間の切り立った崖のような所に無理矢理鉄道と国道を通していた。大歩危小歩危という名前で全国的に有名な渓谷である。M2の時、初めてここを車で走った時はその険しさに驚いたもんである。何度も車で通り、何度も鉄道で通っているが、毎回凄いと思う。今回は台風の影響で茶色の濁流だった。土砂崩れだけは止めてくれよと祈った。それにしてもさっきの特急と乗り心地が段違いなんだが?
 939高知駅に到着。ホームでかつおのたたき弁当を買った。1300円。高知駅に着いたら必ず買うアイテムだ。今日の目的はこれで終了した。
 観光案内所に行き、桂浜への行き方を聞いた。高知に来たんだからとりあえず桂浜に行こうかというノリ。すると10時ちょうどにバスが出るらしかった。1日券を1000円で買った。
 10時ちょうどのMY遊バスで高知駅前を出発。すぐにはりまや橋交差点に差し掛かった。右手にはりまや橋が見えた。後ろの席の夫婦が話していた。奥さんが「あれがはりまや橋かなあ?」。心の中でそうやでと思った次の瞬間、「おちょくってるみたいやな」で笑いそうになった。
 このバス、前回も使ってるので、景色そこそこにブログを打っていた。バスの所要時間は50分。桂浜って遠いんだよな。
 桂浜バス停で降りると、小雨が降っていた。弁当食べたいんだが?土産屋を突っ切り坂本龍馬像へ。いつも思うが、不当に大きい!
 桂浜へ降りると砂浜にはロープが張られていた。桂浜には何回も来ているが、こんなことは初めてだった。ロープはすぐに途切れたが、その先では監視員の人が目を光らせていた。立て看板があり「波浪警報につき砂浜には入らないでください」ということだった。波はいつもよりも力強く砂浜に押し寄せ、座ろうと思ってた砂浜の岩に届きそうな勢いだった。これはこれでありだと思った。この荒々しい方が激動の明治維新のイメージに近いと思った。
 桂浜水族館の前のベンチに座り、激しい波の音を聞きながらかつおのたたき弁当を広げた。当然だが、温くなっていた。美味しかったのは一口目だけで後は味がしなかった。一瞬コロナが頭をよぎった。すぐ食べないとダメだったな?
 12時ちょうどのバスで一つ戻り、1210高知県立坂本龍馬記念館。ここに来るのは2回目。せっかく桂浜に来たんだからついでにって感じ。この記念館さえ押さえとけば、坂本龍馬はバッチリかと。とにかく龍馬の書簡が多かった。そのままでは何を書いてるのかまったくわからなかった。でも、現代訳でも、極めて私的すぎてわかりにくかった。うまいのかへたなのかわからん!昔の人はたくさん手紙を書いたんだな。
 1702のバスで帰った。先客は一人だけだった。ブログを打ってたが、運転が超荒くて酔いそうだった。本当にひどい運転だった。
 1750はりまや橋北バス停で下車。そのままはりまや橋へ行った。日本三大がっかりスポットの一つ。どこにでもありそうな太鼓橋。なんなら住吉大社太宰府の方が大きい。さらに橋の真横にはコンクリート橋。橋としての役目まで奪われていた。観光のためだけに存在しているように見えた。
 1805司。すべての道は司に通じる?こないだ会社のMさんとの会話で突然出てきた。Mさんは高知大学出身だった。もう司でいいんじゃないか?昼と被っていたが、たたき定食。なんか期待してたのよりあんまりだった。すぐピンと来たのは季節。やはり秋じゃないとダメかも。食べない勇気も必要だね。
 19時プチホテルにチェックイン。じゃらんで全国100のホテルに選ばれていた。3600円。明らかに安かった。フロントもなかなか雰囲気がよく、部屋は東横インの上位互換。ほぼ設備はほぼ同一だが、ベッドと机が広かった。安いので当たりは初めてかも。あるんだね。こういうところが。
 今日は義務感もなく気持ち的にラクな一日だった。かつおのたたき弁当を食べられたし、桂浜も見れたし、坂本龍馬も堪能したし、旅行感を充分に味わった。こういう何も考えない一日があってもいいだろう。