びーの独り言

どこいくの?どっか。

2020/12/20(日)「犬山」

 7時起床。身支度をして朝食からのチェックアウト。名鉄岐阜駅は昨晩見に行った時は2階だったが、今日は1階。名古屋本線各務原線で分かれているんだな。756名鉄岐阜駅から各務原線犬山遊園駅が近づくと、遠くに犬山城が見えた。
 犬山遊園駅で下車。すぐ隣にある木曽川の鉄橋に行った。ここはもともと道路と名鉄が併用していた。名鉄は複線から単線になり、一方の道路の幅はとても狭かった。今は隣に道路橋ができて、鉄橋には名鉄の上下線が走っているが、橋の外観は昔と変わらず、重厚な作りが昔を忍ばせた。
 犬山城は1537年に建てられ、日本に現存する城の中では最古である。ここも昔から行きたかった場所であり、こないだのテレビで出てきた。木曽川に突き出した山の上に建っていた。
 彦根城みたいに行列してたらイヤだなと思っていたが、ほぼ開館と同時に入ったため混んでなかった。いかにも木造で歩く度に床がミシミシと鳴った。天守からの眺めは眼下に木曽川雄大な流れがあった。これはこれでよかったが、さすがに昨日の岐阜城には敵わなかった。
 小牧城下は、両脇に土産物屋が並ぶ昔風の通りだった。重要伝統的建造物群保存地区とは違い、ここには時代劇に出てくる町のような活気があった。
 957、犬山駅から小牧線犬山城の途中でうってつけの物件を思い出した。桃花台新交通桃花台線、人呼んでピーチライナー名鉄小牧駅桃花台東駅の7.4kmを結んでいた。1991年3月開通、2006年10月廃止。新しい路線でありながら早々と廃止に追い込まれた。大学友人Sによれば、最近取り壊しが始まったので、早く見に行った方がいいとのこと。
 小牧原駅に停まる直前で西に伸びるピーチライナーの高架が見えた。起点が小牧駅だと思っていたから、これには慌てた。とりあえず小牧駅に向かうと途中から地下に潜った。
 小牧駅には改札を出てすぐ真正面にシャッターの降りた怪しげな空間があった。外に出てみると、高速道路のような高架があった。あまりにも立派なので、本当に高速道路ではないかと思った。
 wikipediaで調べると、ループ線で車輌の方向を変えていたようなので、まずは逆方向のループ線を探した。ループ線のある方向に歩いたが、いつまでたってもループ線が出てこなかった。おかしいなと思っていると、地下から名鉄が出てきた。しまった!ループ線と逆に行ってしまった!もうとても戻る気が起こらないほど進んでいた。帰りは春日井駅に行きたかったが、小牧駅に戻ることにした。
 道中はずっと高速道路の下を歩いてる感じだった。殺風景かつ無機質でハイキングにはまったくむかない道だった。とにかく構造物がでかすぎて、これが廃線跡だとはにわか信じられなかった。ゆりかもめポートライナーを廃止したら、こんな感じになるだろう。
 途中で名鉄ピーチライナーが高速道路をアンダークロスしていた。そこに跨線橋があり、上ってみると、ピーチライナーの高架を取り壊しているところだった。遠くに少しだけ元の路盤が見えた。
 廃線跡は小牧原駅の北側で西に方向を変えて、名鉄をオーバークロスした。その後はひたすらつまらない展開。景色は面白くもなく、誰にもすれ違わず、ただ黙々と歩いた。
 東田中駅は、2階が駅舎で3階がホーム。駅舎に上がる屋根付きの階段は入り口は封鎖されていた。その次の上末駅もまったく同じ構造だった。
 桃花台西駅は構造が変わり、2階の駅舎に直接入り口がついていた。もちろん入り口はシャッターで塞がれていた。看板にうっすらと桃花台西と書いてあった。外から見えた2階のホームにはなんと屋根まで届く本格的なホームドアがあった。もったいない。
 やがて路盤は高度を下げて、少し栄えているエリアに入った。跨線橋があったので路盤を確認した。なんせほとんどが高架でなかなか路盤を見下ろす場所がなかった。路盤は複線でレールと給電機がはずされて、コンクリート剥き出しだった。路盤の先はトンネルになっていて、そこに駅があるようだった。やっと終点に着いたか。桃花台センター駅。駅前にはドンキホーテとショッピングセンターがあり、まるで彩都西駅のようだった。ループ線を探すと、路盤は地下に潜っていた。おかしいと思いwikipediaで調べると、終点はもう一駅先だった。
 進んでいくとすぐに廃線跡は地上に出てきて、再び高架となった。その先の高架が一部切り取られていた。何事?急に廃線感が増した。ほどなくして、長い下り坂になり、下りきったところに巨大なループ線があるのが見えた。疲れが吹き飛んだ。
 ループ線は、ものすごい高いところを高架でくるっとラケット状に一周していた。既に駅とは切り離されていて、廃線がより強調されるようだった。とにかく巨大な建築物だった。もうすぐ取り壊されてしまうと思うと、今回間に合ってよかったと思った。
 一方、終点の桃花台東駅跡はかなり壊されていて、かろうじて階段と柱を残していた。工事終了は3月だから、その頃には完全に失くなってしまうのだろう。
 13時、パンベル。桃花台東駅にあった唯一の飲食店。本当なら駅前の一等地だったはずなのに。名前のとおりパン屋さんでイートインがあった。店内には客はいなかった。ピザトーストと肉まんを食べると、お腹が減っていたのか両方とも激うまだった。高いお金払わなくてもおいしいものを食べられるんだな。大きな窓の外にはループ線。店内ではBGMとしてオペラ音楽が流れ、解体を待っているループ線の悲哀を表現してるようだった。ここで、春日井に行きたくて、小牧駅側のループ線の最新情報を調べたのだが、判然としなかった。仕方なく、小牧駅に戻ることにした。
 1404、小牧駅行きのバス。その名もピーチバス。前乗りで先払いだったが、なんと運転士さんにお金を渡すとお釣りをくれるシステム。バスは廃線跡から離れたりくっついたりして進んだ。すると途中でさっきの店に薬を置き忘れたことに気づいた。薬を見捨てるとこれでギリギリの数になる。降りるならまだ離れてないうちにとも思ったが、既に小牧駅までの料金は払っていた。ここで妙案が。一旦小牧駅まで行って、探索してから帰ってくればいいじゃないか。
 小牧駅に着く前にループ線があった!なぜ気づかなかったのか!バスを降りて時刻表を見ると次は5分後。ダッシュして写真を撮って、バスに戻った。1434出発。バスの中でパン屋さんに電話して薬を取りに行くことを伝えた。
 桃花台東駅に戻ったのは1504できっちり1時間後だった。もう二度と来ないだろうという場所にすぐに舞い戻るとは。二回目のパンベルで薬を受け取った。
 1535の名鉄バス春日井駅まで。この路線が最終的にピーチライナー廃線に追い込んだ。だから是非乗りたかった。小牧駅への客が2、3人だったのに対し、名鉄にはその3倍は乗っていた。そりゃ、名古屋に直接出られない小牧駅より春日井駅の方が便利だろうに。
 春日井駅は久しぶり。この駅、橋上駅舎だったっけ?地上駅だったような気がするのだが?一駅だけ乗って勝川駅で下車。
 勝川駅にもまた超香ばしい路線があった。東海交通事業城北線。乗るのは2回目。全線高架で複線なのにディーゼルの単行。エスカレーターとかエレベーターもなく、とにかくなにも手を加えてなかった。これには理由があり、元々この路線は、中央本線勝川駅東海道本線枇杷島駅11.2kmを結ぶ貨物線として計画された。国鉄末期に作りかけの線は大体無償で自治体などに払い下げられたが、この線は収益が見込めることからJR東海が引き取った。すると、国から建設費を負担しろとなった。その額は設備投資に対する割合で決められたから、JR東海はほとんど設備投資しないことを決めた。返済は2032年まで続く予定。昔よりはだいぶ近づいてきたが、果たして生きて見られるだろうか?
 城北線勝川駅はJRから500m離れていた。高架は中央本線とは繋がっておらず一旦途切れて、また始まっていた。高い高架の上に勝川駅があった。吹きっさらしのコンクリート感溢れるホームには誰もいなかった。一面一線はこの駅が仮設であるため。1656に勝川駅を出発した。意外にも4人くらい乗っていた。
 ずっと名古屋高速に沿っていた。高架なので見張らしはよかった。いつの間にか複線になっていた。まったく交換しないのにね。
 どうして黒字が見込める路線を、不便のままにしておくのか?JR東海の考えは訳がわからない。受益者としての義務を全うすべきだと思うのだが?
 枇杷島からは隣の名古屋駅へ。
 1745、地下街の山本屋本店。いつも行列しているひつまぶし屋は普通に入れそうだったが、さすがに昨日の今日だからパス。味噌煮込みうどんは名古屋コーチン入りで1000円アップ、麺大盛で400円アップ。相変わらず笑っちゃうくらい高い。2800円、これうどんの値段じゃねえよ。
 レジで地下街のスクラッチくじを2枚もらった。擦ると1枚が500円当たっていた。同じく地下街にある土産屋の方の山本屋本店で、生麺を買った。割引後40円だった。レトルトの名古屋コーチンも薦められたけど、断った。店を離れてすぐにスクラッチをもらった方のレジで土産物屋の100円割引券ももらってることに気づいた。土産物屋に戻って名古屋コーチンも買っておいた。なんか結局山本屋にやられてるような気がするぞ?
 1832、のぞみで帰った。家には20時過ぎに到着。
 直前に決めた旅行にしてはものすごく充実してた。後先考えず、行きたいところをてんこ盛りにしたのがよかったみたい。岐阜市近辺には気になる廃線跡がたくさんあり、いずれ回ることになるだろう。名古屋もまた多彩。ピーチライナー城北線は筆頭格だが、その他にもまだまだ香ばしいのが残っている。どこまで迫れるか?