びーの独り言

どこいくの?どっか。

2020/11/21(土)「湯浅&御坊」

 6時起床。7時10分過ぎに出発。730に乗ろうとしたら、お通じが来て乗り過ごしたorz。仕方ないから大阪駅で降りてますのすしを買おうとした。旅行ではあるまじき行為である。そしたら売り切れ。これでよかったのかもしれない。
 大阪駅809の紀州路快速。8輌編成だが、半分は関空快速。シートがクロスシートの2列と1列に驚いた。和歌山から951の御坊行き。車輌は同じ。紀勢本線を南下するのは2回目。山に入ったり海岸に出たり。リアス式?時折見える海に面したでっかいプラント。グーグルマップで調べるとエネオスの製油所だった。箕島を越えた辺りで、山はみかん畑になった。と思ったら、平地もみかん畑だった。湯浅で下車。
 湯浅を知ったのは、今年の初めにコロナが出始めた時であった。その時に中国からの観光客が多いことを知った。和歌山には和歌山市以外見るところはないと思っていた。湯浅は醤油が有名らしかった。今回、何があるのかを確かめに行くことにした。
 まずは観光案内所で地図をゲット。重要伝統的建造物保護地区までの道程を教えてもらった。
 駅前は閑散としていて、昭和の香りがした。これはいけそう。
 岡正は無料休憩所として解放されていた。資料も少し展示されていた。誰もいなかった。
 重要伝統的建造物保護地区。いかにも醤油蔵がありそうな通りだったが、惜しむらくは電柱。関宿にはなかったからなあ。
 甚風呂。昔の銭湯。銭湯の展示は初めて見た。
 角長醤油資料館。DVDに合わせておばさんが解説してくれた。解説があるのはありがたい。醤油のルーツや歴史、作り方など。角長は湯浅で一軒だけ残る昔ながらの醤油の製法を守っている蔵。
 角長職人蔵。醤油作りに必要な道具を展示していた。こういうのに惹かれる。
 角長のショップ。主人が復活させたという濁り醤(生醤油)と、それから醤油パウダーというもののセットを買ってしまった。
 12時過ぎ、和処きてら。観光案内所でのおすすめ。しらす丼を食べた。おそらくしらすが名物なんだろう。1400円の割にはコスパ悪かった。
 まさかこんなに早く予定が終わってしまうとは思わなかった。早足で湯浅駅に戻り、1304の紀勢本線で御坊へ。紀州鉄道に乗るためだった。
 紀州鉄道に乗るのは2回目。かつて日本で一番短い鉄道だった。今は芝山鉄道にその座を譲ったが、あれは複雑な大人の事情だからなあ・・・と言うと紀州鉄道だってそうか?御坊駅には税と書かれたヘッドマークをつけた2輌が停まっていた。見間違いかと思ったが、やはり税と書いてあった。中に入ると高校生の作文が飾られていた。しかも、それは税金についてのことだった。税作文列車。なんだこれ?税金の作文書かして、さらに電車に貼るのかい?とある女の子の文章に「税金はいろいろなものに使われていて驚いた」と書かれていた。おそらく、この電車のスポンサー料にも使われてるよ。
 電車には、5、6人乗っていたが、半分は明らかに同業者だった。それにしても、三連休だというのにこの人の入りはヤバい。銚子電鉄が問題になるのに、ここは問題にならないのだろうか?モーター音はウィーンだし、カタゴトと進む度に左右にローリングした。前回は2輌が現役だったが、今はどうなんだろう?
 紀伊御坊駅に旧車が3輌停まっていた。以前あったパチンコ屋のラッピング車輌はどこに行ったのだろうか?
 終点西御坊駅まではわずか10分ちょっとの旅だった。そこからは日高川駅まで廃線が延びていた。ずっと気になっていたのでたどってみることにした。すると同業者とデッドヒートするはめに。廃線跡でこれは初めて。廃線跡はレールも残っており、とてもたどりやすかった。途中、踏み切り跡で警報器が残されているのには驚いた。その先、単線が複線になり、終点と見られるホームが見えた。溝を越える小さなガーター橋の後、グーグルマップで確認するとここが日高川駅だった。
 1510西御坊駅を後にした。まさか紀州鉄道に乗れると思ってなかったし、廃線跡を巡るなんて!
 まだ時間が余っていたので紀勢本線をさらに南下した。アナウンスがいきなり中国語と韓国語になった。田舎でこれをやるのはかわいそうだ。道成寺駅下車。その名の通り道成寺があった。大学友人Sに教えてもらった。説法が面白いらしい。
 駅前のひっそりとした道を歩くとすぐに、まっすぐの道の先に石段と大きな門を見つけた。そのまま行くと、駐車場には観光バスが2台。道の両端には土産物屋がいくつか。
 受付に行くと、説法が始まったところだというので急いで参加した。2、30人はいた。お坊さんが絵巻物を使って、お寺に伝わる話を面白おかしく説明した。これは確かに面白いと思った。京都や奈良の拝観料だけ分取るところとは大違いだ。それにしても絵巻物とは紙芝居風にして使うものなんか。知らんかった。道成寺は「妻宝極楽」を標榜していた。これは、妻の膝の上が極楽であるから妻を宝としなさい、という意味と、妻が宝と思われるような妻になりなさい、ということらしい。確かに極楽はこの世にあるのかもしれない。
 ここには国宝12面千手観音菩薩像と日光菩薩月光菩薩があった。ガラスケースに入ってるわけでもなく、とてもありがたい感じがした。子歳の神様なので思わずお守りを買ってしまった。
 帰りに土産物物屋で釣鐘饅頭2個と濃縮みかんジュースを買った。駅でトイレにいこうとしたら閉鎖されていて、道成寺まで戻るはめになった。また石段を上った。改めて駅に戻り、饅頭とジュース飲んだ。無人駅で一人というのはいい感じだった。
 1614の列車が来た。乗ろうとしたら、ドアが開かずに焦った。しかし、一番前に行くと開いた。まさかの前乗り前降りだった。
 途中宿のおばちゃんから不在着信があった。湯浅駅に着いて宿のおばちゃんに電話。確認の電話だった。
 宿までは2kmあった。途中で海側の道と山側の道とで2つに別れた。山側の道のようなので歩いて行くと、これで大丈夫かと思うような人気のない山道になった。グーグルマップで確認。本当に便利だ。山を越えていくと集落が現れた。そこの端の方に民宿ヤマギワがあった。ユースホステルを兼ねていた。
 呼び鈴を鳴らすとおばちゃんが出てきた。思った通り優しそうなおばさんだった。「GOTOトラベルできた」ということだった。諦めていたから驚いた。でも、やっぱり宿からの手続きがわからないので、Staynaviに電話した。それでようやく解決した。なんかよくわからないが、35%オフで1000円の地域共通クーポンがもらえた。
 そっからはおばさんと山ほどしゃべった。ユースだからきっといけるだろうと思っていた。客は私しかいなかった。後は黒い毛並みのいい猫。
 風呂の後に夕食。宿泊はユースではなく民宿にした。鯛の尾頭付きのお造りと煮物、しらす丼には紀州の梅干、鍋、酢の物、高野豆腐、かぼちゃなど。かぼちゃは北海道の人に送ってもらったらしくめっさうまかった。鯛一匹の刺身は贅沢過ぎた。しらす丼は昼間より全然豪華なんですけど?ヤバかった。民宿こんなに凄いんだな。これからは民宿だな?
 夕食後にやっぱりおばちゃんといっぱい話した。本当にいろいろな話をした。地元の話から政治の話まで。話題がとても広かった。昔はこういう旅をよくしていた。みかんをもらった。この辺りは有田みかんで有名。おばちゃんもみかん畑を持っていた。おばちゃんから和歌山の剥き方を教えてもらった。手が汚れてても食べられるやり方。こういうのはずっと記憶に残るよなあ。
 23時、一階は消灯なので、二階の部屋に戻った。山ほど書くことが溜まっていた。やはり旅は人情が一番だと思う。
 トイレに行って、さあ寝るぞと思ったら、いつの間にか猫が部屋に入ってきてた。暖房をかけたからだろうか?追い出そうとしたら逆にベッドの上に居座られた。これは困った。