びーの独り言

どこいくの?どっか。

2020/09/20(日)「餞別」

 梅田の阪急百貨店に餞別を買いに行った。Yさんにお世話になった気持ちを言葉だけではなく、何か品物でも示したかった。餞別を買いに行きたいと思ったのは人生で初めてだった。
 何がいいかと考えた時に、これから本社勤めになるのでネクタイがいいのではないかと思った。そう言えば、Yさんはいつもスーツでネクタイをしていた。それならとびきりいいものを選びたかった。ちょっと部下の餞別として重すぎるかなとも思ったが、気持ちの重さということで許してもらおうと。
 阪急百貨店ならなんかあるだろうというノリだった。ほとんどが婦人服だった。紳士服はワンフロアだけ。なんかおかしいな?コーナーには気品が漂っていた。店員がたくさんいて、歩けば方々からいらっしゃいませと言われた。ぐるぐる回ったけどあんまりネクタイはなかった。時代はノーネクタイなのかな?そのうちメンズは別館にあることがわかった。
 別館には有名高級ブランドが立ち並んでいた。プラダ、ルイヴィトン、アルマーニダンヒルなどなど。こういうところは初めてて、場違い感が半端なかった。とても店の中に入ろうとも思えず、廊下から恐る恐る中をチラ見しながら回った。ほとんどネクタイがないことに気づいた。
 ここでスマホで評判のネクタイを調べてみた。さっき通りすぎたばかりの店の名前が出た。Ermenegild Zegna。なんて読むのかわからないが、なんだか凄そう。行ってみると店頭にネクタイがたくさんぶら下がっていた。
 中に入って見てたら、おじさんの店員が寄ってきた。意外にも冴えない感じのおじさんでホッとした。まず庶民の悲しい性で値段を聞いた。24000~32000円。予算オーバーだが、まあいいか。ネクタイを見ても色がよくわからなかった。照明の演色性が悪く、自然光とはほど遠かった。おまけに眼鏡のブルーライトカットも。眼鏡を外して眼を近づけて見た。これだと思うものがあった。えんじに斜めの線が入っていた。派手ではないが、キラリと光る感じ。するとおじさんは、台の上にスーツの上着とYシャツを置いて、ネクタイを合わせ始めた。いろんなネクタイを見たけど、どれもピカピカ光沢があって派手だった。もしかすると悪目立ちしてしまうかも。
 結局はえんじを選んだ。またこれから他の店に入るという気力がなかった。贈答用に箱にリボンをかけてもらい、黒い手提げ袋を受け取った。店を出るときはおじさんとお姉さん2人が頭を下げていた。ブランドのことはまったくわからないけど、一度購入するとそこがお気に入りになるのかもしれない。
 13時、昼食は阪神百貨店地下のいか焼き。最近食べたいなあと思っていた。以前立ち食いできなくなってて悲しかったのだが、見事に復活していた。仕切りがついてコロナ対策もばっちり。
 中之島公会堂まで歩いた。ここは浪人時代に行ってから何回か訪れている。途中旭屋書店がなくなってるのに驚いた。梅田新道の歩道橋を渡るとだんだん大江橋が近づいてきて、市役所が見えてきた。橋を渡り左折、しばらくして右折すると図書館。図書館は閉まっていたが中には入れた。カフェで休もうと思ったら、60分待ちでびっくりした。裏にある公会堂はあいかわらず赤レンガの重厚な作り。なぜか赤レンガにひかれるんだよなあ。いい散歩になった。
 14時半、JR大阪駅に戻り、ますのすしを買おうと思ったら売り切れてた。四連休で人出が多かったのかな?疲れたのでそのまま帰った。