びーの独り言

どこいくの?どっか。

2018/12/14(金)休「試験外泊」

 試験外泊2日目。起きたのは7時だった。ちょうどいい時間だった。7時まで眠れたことに驚いた。余程疲れていたのだろうか?コンビニに朝食を買いに行かなければならなかったが、寒くて布団から出ることができなかった。二度寝してしまい起きたら8時半だった。ヤバい。9時の薬が飲めなくなる。9時の薬は朝食2時間後に飲む必要があった。
 コンビニに行こうと外に出ると、後輩Oとばったり遭った。さすがに私の病気のことは知っているようだった。昨日の今日で大丈夫だとはとても言えず、「菌とカビがアカンねん」と偽らざる私の気持ちを伝えておいた。
 朝食は長年の習慣通りパンにすると決めていた。コンビニの棚に並ぶパンは、マヨネーズ、生クリーム、チーズを使っており、ほとんどが禁止メニューだった。自然とメロンパンに落ち着いたが、この先メロンパンばっかりなのも困るなあ。
 部屋でじっとしてるのは寒かった。ずっと布団に入って横になっていた。この部屋では時間の流れ方が病院とは全然違った。病院では何かとやることがあった。退院という大きな目標に支えられてたことに気づいた。この部屋ではやることがなかった。「カビや菌を避ける」のが目標では切なすぎた。今後退院したらこの部屋で独りで過ごさなければいけない。ここには看護師さんもTさんも迷惑なじいさんもいない。不要不急の外出を避けながら、部屋に引きこもって何を目指せばいいのだろうか?もう人並みに生活できないのではないかくらいに思える。職場復帰だって、感染のリスクを負いながら、重要でない仕事をするのは馬鹿げている。こんなときこそ前向きにならなきゃいけないが、あまりにも絶望的すぎて渇いた笑いしか出ない。しばらくは感情が落ち着くまでほっとこう。
 昼食はコンビニのミートソーススパゲティにした。以前の味と明らかに違っていた。ご飯の味と同じような気がした。唾液自体がステロイドの影響でそういう味になってるのかもしれない。プラスワンで買ったベルギーワッフルはうまかった。
 午後は机に座りパソコンをいじったりTVを見たりしていた。少し落ち着いてきて、前向きな気分が出ていた。
 夕食はカルビ弁当にした。プラスワンで栗どらやきを買った。コンビニの棚を見てると、このままだと野菜が食べられないことに気づいた。火の通った野菜料理と言えば中華料理を思い浮かべるが、中華料理屋は大体汚いしなあ。どうすればいいんだろうか?
 夕食後に部屋を出た。上半身の力がないのでブレーカーを落とすだけでひと仕事だった。3回に分けて荷物を1Fに下ろした。そしてこんなときに限って鍵がなかなか閉まらなかった。帰ったら直さなきゃいけないなあ。階段で4FのMさんと遭遇した。ビックリするとともにリアクションに困ってる感じだった。昨日のYさんも言ってたが、会社では死にかけみたいに思われてるらしい。本人はなんとも思ってなかったが、今回本人もようやく事の重大さに気づいた模様。
 大通りでタクシーを拾った。スーツケースの積み降ろしをやっていただいたのが大変嬉しかった。阪急タクシーさんありがとう。
 JR尼崎駅を歩く人たちを見ていると、私は別世界の人になってしまったような気がした。もうあそこには完全には戻れないんだな。電車の座席は埋まっていた。マスクをしてる人がゴホゴホした。逃げ場がなかった。今までのゲームと難易度が違い過ぎる。菌とカビがダメなんて自然の摂理に反抗しているんだもんな。普通に戻れそうな気がしない。
 JR茨木駅からのバスに乗り込むときにスーツケースを持ち上げることができるか心配だった。来たのは低床車だった。低床車のことなんて今までなんとも思ってなかったのに、まさか自分がその恩恵に預かるとは。
 病院に着いたのは19時半だった。担当の看護婦さんにどれだけ大変だったかを熱く語ってしまった。「リハビリをしてたからマシですよ」と言われた。下の人と比べてもなあ。野菜については生野菜は食べられるとのこと。確認しよう。
 片付けが終わったのは20時半だった。また入院生活が再開した。ここは秘密基地のようだと思った。頭はまだ混乱していた。理屈でわかっているが、まだ感情がついてきてない。落ち着くにはもうしばらくかかりそうだ。