びーの独り言

どこいくの?どっか。

2013/01/01(火)祝「旅行5」

 飲んで気分が悪くなって寝落ちした。そして強烈な腹痛で起こされた。完全に腹を壊していた。眠れなくなったのでテレビを見ていた。そして、どん兵衛の天ぷらそばを食べた。
 根室に泊まったのは初日の出を見るため。今まで初日の出には興味はなかったが、せっかく道東まで来たのだから見てやろうと。きっといい思い出になるだろう。完全防寒に着替え、0530の臨時バスに乗った。臨時バスのことは大学友人Sに教えてもらった。北海道最東端納沙布岬までは30分で到着。岬の先端にある灯台の下に陣取った。気温マイナス8℃、風が吹いてたから体感気温はもっと低かっただろう。眼下には激しい波が岩にぶつかっていた。こんな激しい波にさらされている岩は我慢強いを通り越している。人が徐々に集まり始め100人くらいになった。さすがに完全防寒の人が多かった。どこかで歓声が上がった。日の出かと思ったら、あざらしのような頭が波間から顔を出していた。ちょっと和んだ。よく見ると沖には島が浮かんでいた。色丹島だろうか?その海の間に越えられないラインがあるわけだ。なかなか日は出なかった。どの方向に出るのかは空の色で明らかだったが、雲で隠れている感じだった。日の出が見えたのは0657頃、水平線の雲の上にオレンジ色の小さな半円が現れた。しばらくすると形は真円に近づき、だんだん大きくなった。デジカメと携帯で撮りまくった。日の出ショーは10分くらいもすれば十分だった。右の手袋をはずしていのでひどく痛かった。0720臨時バスは納沙布岬を後にした。
 0822根室発釧路行きに乗った。うまく海側をゲットしたが、一番の見所である厚岸の湿原は、居眠りで見逃してしまった。この旅では睡眠時間が少なく車内で眠ってしまう。特に昨日はあまり寝てなかった。また車内が暖かく、雪が単調というのもある。なにより絶対に見なきゃいけないという執着がない。
 釧路にて網走に向かう予定だったが、目当ての電車まで3時間もあるので1本早い1132釧路発川湯温泉行きに乗った。車窓に見える釧路湿原は、夏の生命力に溢れた緑ではなく、枯れた茶色の草木と隙間を埋める白い雪だけだった。面白くないと思った。これでは救いがない。終点の川湯温泉で下車。ここからバスで10分のところにある温泉を狙ったが、帰りのバスが17時台(怒)。本数の少ないローカル線に本数の少ないバス。タクシーもいないし、これでは誰も行かないわ。駅には暖房もなかった。こんなところで3時間も待てない。折り返して摩周に行った。摩周は一昨年の夏に降りたことがある。何もないけど川湯温泉よりマシ。待合室には暖房があり、テレビで新春番組をやっていた。1時間半待ってやってきた網走行きはマナーの悪いマニアだらけだった。車内は公の場なのだから写真を撮るのにウロウロするな!
 網走到着は1714。オーナーさんが車で迎えに来てくれた。今晩の宿はとほ宿「あら鷲」。乗り鉄は朝が早いので、送迎の必要なとほ宿には向いてないが、明日は網走観光なのでゆっくりできる。また冬のとほ宿には常連が集まるので様子を見てみたかった。予約したときにお節代金として1500円と言われたのも、逆に面白そうだった。網走駅には前日から宿泊しているおじさんTさんもいた。車の中でいろいろ話しかけてくれたので幸先がよいスタートになった。車が宿に到着し、空を見上げると満天の星だった。2年前の霧多布以来の星空。北海道らしさを感じさせる壮大なパノラマだった。宿にはやはり前日からYさん夫妻も宿泊していた。総勢4名。部屋は私だけ大部屋。ラッキー。ここは自然農法に特徴のある宿で、夕食は特別にここで繁殖に挑戦している比内原鳥をしめた肉をしゃぶしゃぶにしていただいた。今まで食べてきた鳥よりも若干味がワイルドでとてもおいしかった。食べ終わった後は、みんなでだべった。Tさんは同業者だった。とほ宿は駅から離れており、ほとんど同業者を見かけたことがない。当然話は弾んだ。Yさん夫妻も旅人だった。夫婦で旅好きってうらやましすぎる。いろんな話を楽しんだ。オーナーさんに呼ばれて外に出ると、オホーツク海に月が出ており、月明かりが海を照らしていた。とても幻想的なシーンだった。こういうシーンこそが深く心に刻まれそうだ。オーナーさんは自然を愛する強くて優しい人だった。「冬の北海道が一番好きです。これからの旅で美しい景色などを楽しんでください」という言葉にどきっとした。私は冬の北海道を楽しみに来たのに、今までの4日間で何か物足りないものを感じていた。それは結局のところ日常からの視点のままで相変わらずつまらないものの見方しかできてないんじゃなかったのだろうか?本当は目の前にある自然こそベースにしなきゃいけないのに、人工的なものに囲まれた生活から精神は脱却できていないような気がする。私は大切なことを教えられているような気がした。人との触れ合いが一番刺激的かもしれない。就寝は24時。