びーの独り言

どこいくの?どっか。

2012/08/18(土)「旅行10」

 黒部のアルペンルートにはずっと行きたかったが、夏は北海道だったので行く機会がなかった。M2のとき井上さんが今までで一番良かったと言って写真を見せてくれたのを覚えている。また滋賀の時にFさんも旅行して良かったと言っていた。今回、郡上八幡の後に黒部を思い付いたときは素晴らしいと思った。納得の一手だった。
 富山―立山→美女平→室堂→大観望→黒部平→黒部湖・・・黒部ダム扇沢信濃大町―松本―中津川―恵那。
 4時半に起きて、昨日買った「ますのすし」を食べた。扇沢までの切符は9230円。0542富山発の急行で立山に向かった。でっかいリュックを持った登山スタイルの人ばかりで、サンダルにスポーツバックなんて誰もいなかった。途中から景色のよい路線なのだが、眠気には勝てなかった。立山ではさすがにランシューに履き替えた。
 立山からは立山ケーブルで美女平まで。7時に時間指定されたのでイヤな予感がしたが、案の定満員だった。私は閉じ込められるのが大嫌いで、考えただけで腹が痛くなる。黒部はすべての乗り物が閉じ込められる乗り物だった。このことはこの後も私を苦しめた。
 美女平からはバスで室堂に向かった。いい景色だったが、曲がりくねった道で乗り心地はよくなかった。いつの間にか意識がなくなっており、気がつけば室堂だった。バスを降りてから携帯がないことに気づいた。慌てて戻って事なきを得た。
 室堂はアルペンルートの中で一番高く、標高は2430mである。降りるとひんやりした。景色が下界ではありえない壮大なものだった。緑色の山が壁のようにそびえており、はるか頂上までが一気に見渡せた。頂上付近は白く霞んでおり、ところどころ雪も残ってるようだった。緑の部分は高山らしく低い木で覆われていた。谷の部分はガレていて、水が流れてるところもあった。登山家がさあこれから山に登るぞという場面に出てくる景色だった。実際、リュック姿の人の多くはここから登山に向かっていた。
 昨日の大将から温泉に入ればいいと言われたので、みくりが池温泉に行った。登山道を歩くとみくりが池があった。緑の中にぽっかりと開いた穴に深い青色の水を湛えていた。道の途中で人が集まっているなあと思ったら、雷鳥がいるとのことだった。なかなか見つけられなかったが、小鳥がはたはたと2羽移動したのが見えた。あれを写真に撮るのは無理だと思った。みくりが池温泉には登山者でいっぱいだった。湯には湯の花が浮いてて温泉ぽかったが、よく見ると湯の花以外のものも。私は温泉には身体をきれいにすることを第一に求める。それ以外は話のネタとしか思ってない。きれいな身体が汚れるような気がしたので、イヤな気分になった。これからは場所を見極めなきゃいけないなあ。
 駅に戻って「立山そば」を食べた。大将によれば、立山そばは富山駅にもあるが、室堂で食べるのがよく、立山そばを食べる会というのもあるそうな?食べた感想は何が特徴かわからない普通の立ち食いそばだった。
 室堂からはトロリーバスで大観望へ。トロリーバスとは架線から電気をもらって走る。電車のレールがなくて、タイヤになったようなものである。日本では黒部にしか走っていない。トロリーバスにしたのは環境に配慮したからということだが、本当のとこはただの偶然じゃないかと。トロリーバス立山の下に掘られたトンネルを走った。
 大観望からは眼下に黒部湖とロープウェイが見えた。黒部湖のエメラルドグリーンと周りの木々の緑色がとてもきれいだった。
 ロープウェイで黒部平に降りた。ロープウェイには途中に支柱がない。雪崩で倒壊しないようになっている。ここからの景色は360°のパノラマであり、大観望よりも素晴らしかった。 黒部平からはケーブルカーで黒部湖に降りた。また満員で閉じ込められ感がすごく。
 黒部湖からは黒部ダムの堤の上を徒歩で移動した。黒部で一番有名な場所だ。堤はビル50階に相当する高さがある。観光用の放水をしていて、堤から水が噴水みたいに吹き出していた。下を見ると身体の一部がキュンと縮んだ。黒部湖の方はエメラルドグリーンの静かな水面であった。展望台へ行こうとしたら、雨が降ってきたので止めた。
 黒部ダムから扇沢までは再びトロリーバスになった。意識を失い気がつけば扇沢だった。
 扇沢は長野県側の玄関口であり、土産物屋しかなかった。バスに乗って信濃大町に向かった。
 黒部はすごいところだった。こんな壮大な景色が苦労せずに見れるところは他にないだろう。ただ、観光ルートをなぞるだけではありがたみがないというかオリジナリティーがないというか。人が多いのにも辟易した。人が多いところはそれだけで自然を楽しむには論外に思えるくらいだ。一度は行くべきだけど、一度で充分だと思う。
 信濃大町についたのは14時で予想よりかなり早かった。松本に宿を取っていたが、キャンセルした。そのまま千葉に帰れたが、残りの1日を使わないのはもったいないと思った。せっかくここまで来たのでやりたいことを考えてみた。なかなか思い付かなかったが、逆転の一手が浮かんだ。そして、同期Fと飲むことにした。
 Fが春日井のときはよく遊んだが、恵那に転勤になってからは、仕事が忙しいらしく、まだ遊びに行ったことがなかった。本社では聞けない話をたくさん聞いた。ところ変わればまったく違うものだ。研究所は本当に大本営発表ばかりで正確な情報が伝達されてないな。やはり持つべきものは友人だ。
 宿泊は「エナプラザホテル」。一昔前のイメージ。部屋は広かったが、ユニットバスは狭かった。安いけど、フロントの印象が悪かった。領収書の切り方を知らないのにはがっかりだった。