びーの独り言

どこいくの?どっか。

2012/05/03(木)祝「旅行5」

 長良川鉄道の旅。長良川鉄道は旧越美南線。全長72kmの盲腸線。因みに越美北線というのもありJRで乗り潰し最後の区間として楽しみにおいている。この2つの路線は福井と岐阜を繋ぐために建設されたが、ついに繋がることはなかった。この未成区間20kmには国鉄バスが走っていたが、既に廃止されている。ネットには路線バス+徒歩+路線バスという大技を使う猛者もいるが、そこまでするつもりはなかった。
 岐阜―美濃太田北濃―美濃白鳥―郡上八幡みなみ子宝温泉美濃太田―多治見―名古屋。
 美濃太田からの始発には同業者が4人、一般人が同じくらい乗っていた。単行でトイレがない。三セクではトイレがない場合が多い。トイレがないと少し不安になる。まずは一気に終点北濃を目指した。美濃市を過ぎると長良川が寄り添うようになった。線路は山あいに長良川の作った河岸段丘を進んだ。何度も長良川を渡った。ここにはのんびりとした日本の原風景が広がっていた。私はずっと初めて見るドラマのように最初にだけ味わえるどきどき感にひたっていた。美濃白鳥を過ぎるといよいよ終点だった。今まで何度も思いを馳せた終点北濃は予想してたほどどうしようもない終着駅ではなかった。何も店とかはなかったが、横には国道が走っていた。国道に負けたと言うのが正しいところだろう。福井側と繋がらなかったことよりもここまで延びていることが頑張ってる感じがした。
 折り返して美濃白鳥で下車した。ここは町の中心駅である。ここが気になったのは白鳥という名前だけである。もし降りなかったら、ずっと気になるかもしれない。白鳥駅前では昼からの祭りの準備を地域の人総出でやっていた。古い小さな商店街が現役のまま残っていた。駅前の「いこい」という喫茶店に入り、650円の味噌煮込みうどんを食べたら、すごく美味しかった。「山本屋」がいかにぼったくりかということがよくわかった。しばらくのんびりしてると常連のおじさんおばさんが次々とやって来ては帰っていった。皆がすごく仲がいいように見えた。昔の地域の繋がりが残っているのだろう。
 次は郡上八幡で下車した。郡上八幡はずっと訪れてみたい場所だった。もう25年前になるか、中学生のときに通っていた塾の先生が「郡上八幡では徹夜で踊る。感動するから一回は行った方がいい。」と言っていた。当時郡上八幡なんて知らなかったが、ずっと心の隅にひっかかっていた。すると何年も経ってから「サザエさん」のオープニングで郡上おどりが紹介されるようになった。これで全国区になったように思う。徹夜おどりは盆にある。盆には北海道に行ってたから、今まで郡上八幡に行く機会がなかった。
 郡上八幡の駅は降りる観光客も少なく寂しい感じだった。20分ほど歩くと昔ながらの町並みになり、メインストリートには多くの人で賑わっていた。ほとんどの人は車で来るのだろう。
 まず目についたのは意外にも食品サンプルであった。郡上八幡食品サンプルで有名らしい。びっくりした。脳ミソにキタ。本物そっくり。プロの技だ。本当に凄かった。客もみんな「すごいすごい」を連発していた。普段余計な物は買わないことにしてるのにマグネット4つ2000円で買った。
 次に博覧館に行った。ここでは郡上八幡の歴史を紹介するとともに、郡上おどりの実演もやっていた。郡上おどりは夏にある。特に8/13〜16は夜8時から朝4時まで踊る。おどりの種類は10種類。誰でも参加できる。格好はなんでもいいが、現地で下駄を買ったほうがよい。おどりの実演を見るとむずむずしてきた。踊ったらすごく気持ち良さそうだ。
 博覧館の受付でべっぴんの踊り手さんに勧められたので郡上八幡城に行った。城は山の上にあり登るのが一苦労だった。盆地の中に郡上八幡の町並みが見渡せた。いかにも城という感じで、スカッと気持ちがいい見晴らしだった。
 町全体が「福よせ雛」というイベントをしていた。これは2000体の雛人形を各店や建物に飾るというもので、指定された地区で指定された雛人形を探し当てて写真に撮れば記念品をもらえる。特筆すべきは、この雛人形がとても愛くるしく妙なポーズや細かい小道具で手の込んだギャグばかりしているのだ。例えば、バイクに乗ってたり、麻雀してたり、プロレスしてたり。このイベントは若い人が考えたに違いない。アイディアや手のかけ方が秀逸で非常に感心した。
 屋台でみたらし団子を食べて、「まるみつ」でけいちゃんを食べた。けいちゃんはこの地方の名物で鶏肉と野菜を味噌で炒めたものである。非常に美味しかった。この地域の食べ物は、シンプルで美味しくて安い!
 駅に戻ると1時間待ちだった。駅併設の喫茶店あじさいのはな」に入った。目的は時間潰しではなく、郡上おどりのことを聞くことだった。その土地を理解するには地元の人と話すのが一番だ。べっぴんな奥さんが親切にいろいろなことを教えてくれた。こういうことがあるとずっといい思い出として残るんだよな。
 郡上八幡は元気な町だった。昔の風情を残しながら現代の感覚を取り入れている。観光資源も豊富でいろいろな視点から楽しむことができる。正直予想以上に楽しかった。次に来るときは郡上おどりかな。
 GWは宿が取れなかったから、今日明日はネカフェのつもりだった。どこかで風呂に入る必要があった。長良川鉄道にはみなみ子宝温泉駅という温泉直結の駅があった。しかも乗客は入湯税50円のみ。結構たくさんの人が降りていった。せっかくだから行ってみた。温泉という感じはほとんどせず、普通のスーパー銭湯のようであった。湯上がりにビールとあたりめ。
 宿泊は名古屋のネカフェ「自遊空間」。さすがにマットは無理か。「宇宙兄弟」の残りを読んだ。