びーの独り言

どこいくの?どっか。

2010/04/30(金)休「旅行3」

 0715起床。8時に駅レンタカーを借りに行った。電車のきっぷ割引でヴィッツが12時間で保険込み5000円。これは安い。今回レンタカーの目的は函館の東を探索することだった。1箇所すごく期待していた。ただ他には何もなさそうなのが気がかりだった。さて、海岸沿いを東に向かう国道278号線はひたすら左は山で右は海だった。普通は海を見ると思うが、山ばかり見ていた。海と山の狭いスペースに漁村が点々とするばかりだった。もう少し早く起きて朝市で朝食を取ればよかったと思った。予想通り朝8時から開いてる店などなかったし、そもそも店がなかった。
 本州との距離が一番短い汐首岬にたどりついたとき、目的の物件が山側に現れた。国鉄戸井線のアーチ橋。戸井線は戦争末期に建設されながら完成に至らなかった未成線下北半島側にも大間線という未成線がある。軍需物資の輸送のためだけに建設された悲劇の路線。遺構の写真を見てからずっと気になっていた。山側の高いところにそれは突然現れた。こんな寂れたところに似合わぬ壮大な橋。朽ち果てた姿を晒していた。車を停めるスペースがないので、しばらく先に進むと今度は廃トンネルが現れた。これも感動!なんと無意味なモニュメントか!もう少し進むと再びアーチ橋。その上には車すら停まっていた。バス停を見つけたので車を停めて、トンネルにアタック。路盤までは長いスチール製の階段が伸びていた。10年前くらいにできたようだが、津波対策だろうか?路盤は草むしてはいたが、歩ける程度であった。やたらと巨大な緑色の糞が落ちていた。なんの獣だろうか?トンネルは貫通はしているものの少し入ったところで天井が崩れ土砂が流れ込んでいた。トンネルの奥には別のシェードがあった。あのお気に入りの廃道サイトを思い出したりw。緑の路盤を眺めていると、ここにもし鉄道が走っていたらなんてことを想像した。海が見渡せて絶景だったろう。場所を変えて二番目のアーチ橋にも登った。生活道路として今も利用されていた。地元の人はこの橋の由来を知っているのだろうか?
 国道を先に進むとだんだん険しくなり、山に張り出した岬の根元をトンネルでぶち抜くようになった。こういうトンネルの海側には必ず旧道が存在する。ここの道も廃道サイトでレポートされていたことがある。北海道の廃道なんてかなり凄そうだけど、だからといって今日確かめるわけではない。いずれやってるかもしれないけどw。
 亀田半島の東端に「なとわ・えさん」という道の駅があった。ご飯が食べれると思ったが、10時ではまだ開いていなかった。そこから国道は海から離れて北へ曲がっていた。その代わり海沿いの道は狭くなっていた。海沿いにずっと進むと大きな岩に遮られ行き止まりになった。傍らには行き場の失った路線バスが停まっていた。海沿いに道路が繋がっていないなんて珍しい。また道の駅まで戻ったが、まだ店は開いてなかった。しびれを切らしてえびせんべいとぽん菓子を買って、せんべいを車の中で食べた。するとその間に店が開店してた。タイミングが悪い。でも、無理矢理定食を食べた。「根ぼっけ」と書いてて何の魚かわからなかったが、ほっけだった。最初に食べた刺身が氷っててそれはないだろと思った。
 道の駅から国道沿いに北へ進み、海に突き当たってから右へ曲がった。ここは椴法華という凄い地名だ。これで「とどほっけ」と読む。地名の由来はしらないが、その音感の力強さとは違って寂れた漁村だった。道のどん詰まりは波打ち際の岩場をコンクリートで四角く区切った露天風呂になっていた。観光客がいたが、手で温度を確かめてるだけ。私もやってみたがぬるかったし浅かったし苔むしていた。なぜか持ってきた水着の出番かと思ったが?
 そっからは海岸沿いを北へ行くだけの展開。ずっと寒村が続くだけ。なんにも期待してなかった。鹿部の温泉や間欠泉もなんだか興味が湧かずに素通り。あれ、そういえば駅はどこにあるのだろうか。ここは港町だけど、駅は森の中にあったよな。しばらく車を進めると駅へは左折の指示、白樺の林に別荘がちらほら。その奥に駅はあった。こんなに離れてたら誰も使わないだろ。駅前は広場になっていたが、駅以外の建物はなく人の気配はなかった。木造の味のある駅舎。待合室の椅子にはクッション、近くの老人会がボランティアで手入れしてるようだ。ホームに出ようとすると、遠くから駅員風のおじさんが来た。まさか駅員がいるとは。やばいと思った。用もないのにホームに入ろうとしたからだ。駅員と話してるとなるほどと思った。SLで写真を撮る人が線路に入らないように監視するのだそうだ。「私も昨日乗ったんですよ」、まさかこんな巡り合わせがあるなんて。時刻は1320、後5分でSLは森を出発。鹿部には1402予定とのこと。
 さらに北上して森に到着。いつものいかめしを食べた。これは仕方がないw。2年前に行った青葉が丘公園の横を通ると、桜は全然先だけど祭りの準備をしてた。ここで時計は1400、レンタカーの折り返し。進路を南に向け国道5号線。目的は大沼公園だった。2年前に行ってるしあまり期待してなかった。国道を左折すると函館本線を越える跨線橋があった。すずなりの人だかりだった。まだSLは来てなかったことに気づいた。まさか撮り鉄の最前線を目の当たりにするとは。彼らは無理矢理近くの林に車を停めていた。2人の駅員が彼らを監視してた。なんだか迷惑だよなあ。少し北に戻ると大沼公園駅には煙が漂っていた。SLが停まっていた。こうやって外からSLを見ている自分が不思議だった。昨日も積極的に乗ったわけではないし、今日もSLなんて期待してなかった。それなのに不思議な縁というか。昨日とは逆の立場でSLを見送った。さて、大沼を車で一周した。2年前にも自転車で一周した。車でも30分かかったのは意外だったが、味気なかった。
 帰る途中で「ラッキーピエロ」へ寄った。函館で有名なハンバーガー屋だ。一番人気の唐揚げ入りのハンバーガーを頼んだ。安い。うまい。でも、食べづらい。唐揚げを挟むのはやりすぎのような。でも、東京にも出店してほしい。
 函館に戻って時間が余ったので立待岬へ寄った。風が強くて寒かったけど、海を挟んで函館市内が見渡せた。車を返したのは17時。まだ3時間余してたけど、もう行きたいところはなかった。
 「東横イン」にチェックインして、明日の予定を立てた。一番に予定してたとこが無理だということがわかって途方に暮れた。代替案が全く思い付かなかった。なんとか捻り出したが、フリーエリア内ではもうやりたいことがないことに気づいた。昨日同様「はこだてビール」に行ったが、酔いが回って2030のピアノが聴けなかった。もうすっかり満足してる自分がいた。